ヴァイオリン レッスンガイド
持ち運びが簡単で、どこでも弾けるというのがヴァイオリンの大きな特徴です。2~3歳では16分の1というもっとも小さな楽器を使い、「キラキラ星変奏曲」から始めます。
ゴセックの「ガヴォット」が弾けるようになると意欲も芽生え、次にドヴォルザークの「ユーモレスク」やヴィヴァルディの「協奏曲」が目標となります。いろいろな曲が弾ける喜びとともに、スズキ・トーンといわれる美しい音を作ることも大切な目的です。研究科でレッスンするメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」はみんなの憧れの曲です。
個人レッスンのほかに、グループレッスンで幼いうちからみんなと一緒に演奏する楽しさを知り、弦楽器を学ぶ上で欠かせないアンサンブルの基礎を身につけていきます。その過程で自然に読譜力もつき、ここで養われる継続する力や協調性は、いろいろな分野においても大きな力となります。
曲が仕上がってからも繰り返し練習を重ねることで、子どもの音が光り輝き、能力が育っていきます。協力しあうことで、さらに美しい音が出せるよう磨きをかけます。
60年以上にわたり、奏法の研究はもちろんのこと、子どもの心に響く教え方を研究してきたスズキ・メソードですから、楽しみながら学べ、いつの間にか上達する歓びを感じることができます。
お子さんが一番頼りにするのは、ご家族です。毎日の生活の中に練習する時間を定期的に設けたり、CDを聴く習慣をつけるなど、みなさんで応援する環境を作りましょう。お子さんは目を見張るように変化するはずです。
レッスンのおおまかな流れ
大切なはじめの一歩
「キラキラ星変奏曲」を始める前に、ごあいさつの仕方、ヴァイオリンの持ち方、弓の持ち方、「キラキラ星」のリズム、一茶の俳句など、先生や支部によっていろいろとカリキュラムが用意されています。「キラキラ星」のレッスンが始まるまでが大切です。
ご家庭での繰り返し
赤ちゃんが毎日繰り返し耳にしている言葉をいつの間にか話せるのと同じように、ヴァイオリンの練習も毎日の繰り返しがとても大切です。親子で時間を決めて、先生に言われたポイントを繰り返し練習することが、上達の早道です。
グループレッスンは飛躍のチャンス
グループレッスンは、お子さんにとっても、みんなで合奏する楽しさがあり、お母さんにとってもいろいろな情報を入手するまたとない場であり、親子で大きな刺激を受けるでしょう。
各卒業課程を目標に
卒業録音は、先生の判断で行なわれます。先生と一緒に曲を仕上げていく過程は簡単ではありませんが、録音を終えたときのホッとした気持ちは、一つやり遂げた自信につながり、次の意欲作りの源になります。
卒業課程
ヴァイオリン科の卒業課程は10段階あります。それぞれの課程で課題曲を録音し、全国レベルで検定評価しています。
前期初等科 | ゴセック | ガヴォット |
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初等科 | バッハ | ブーレ |
前期中等科 | ヴィヴァルディ | 協奏曲イ短調第1楽章 |
中等科 | ヴィヴァルディ | 協奏曲ト短調第1楽章 |
前期高等科 | コレルリ | ラ・フォリア |
高等科 | バッハ | 協奏曲イ短調全楽章 |
才能教育 課程卒業(*1) |
モーツァルト | 協奏曲第4番全楽章 |
モーツァルト | 協奏曲第5番全楽章 | |
研究科A | バッハ | 協奏曲ホ長調BWV1042全楽章 |
研究科B(*2) | (a)モーツァルト/ロンド + パラディス/シシリアーノ | |
(b)クライスラー/前奏曲とアレグロ + パラディス/シシリアーノ | ||
(c)ヴィタリ/シャコンヌ | ||
研究科C | メンデルスゾーン | 協奏曲ホ短調全楽章 |
(*1)2曲両方を学習した上で1曲を選択します
(*2)研究科B(a)~(c)のいずれか選択