備教育

備教育 (機関誌169号 2009.9発行)

子供にマリを投げる場合に「さあ投げるよ」と言うと、こちらを向いて、受け取る心の準備をする。

そこで私どもは、子供はどのくらいの強さのマリの投げ方をしたら、うまく受けられるかを知っていて「いくよ」と気合を合わせながら、受けられるように、ひょいと相手の能力に応じてマリを投げて、受け取る喜びを投げかけるのである。

このように、受け取れる喜びを投げかけながら、だんだんにマリの速度を変化させ、能力に応じては、カーブまで発展させて育てていくわけである。この、日常私どもがしていることと同じ原理が、教育の場合にもそのまま行われなければならないと思う。

教育、つまり教え育てるということについても「さあ投げるよ」と言って、こちらを向かせること、即ち、受け取ろうとする心をつくる準備が必要であり「いくよ!!」という気合が必要であり、受け取れる喜びを与え、投げるうまさが必要であろう。この要領をヴァイオリンの学習の上に活用していただきたいものである。
「さあ投げるよ」とも言わないで、いきなりマリを投げつけ、子供の顔にマリが当たって泣かせたり、相手の能力を思わず強い球を投げつけて、鼻の先へマリをぶっつけてすっかりおびえさせ、受け取れる喜びを与えず、鼻にぶっつけられる恐れを受け取らせたりしないように願いたいものである。

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