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スズキ・メソードの指導者養成プログラム説明会と、
ヴァイオリン科マスタークラスを開催しました。

 3月26日(火)、大久保駅に近い東京交響楽団クラシック・スペース★100で、スズキ・メソードの次の世代を担う指導者を育てるための「指導者養成プログラム説明会」と、ヴァイオリン科マスタークラスを開催しました。

午前の部 10:30〜12:00 指導者養成プログラム説明会
 冒頭、ピアノ科生徒とヴァイオリン科生徒による演奏が披露された後、黒河内健 業務執行理事より、才能教育研究会(スズキ・メソード)と指導者養成プログラムの概要について、レクチャーがありました。いくつかを紹介しましょう。
・スズキ・メソードの指導者は、創始者鈴木鎮一を直接知る世代から、指導者養成課程を通じて、スズキ理念を体得する新世代に、世代的に移行しつつあること。
・松本の国際スズキ・メソード音楽院での集中的な研修生生活から、自宅のある地区ブロックで、自分のペースに合わせた研修生・初級指導者生活が可能となり、スズキ・メソードの指導者養成システムも、時代とともに変化してきたこと。
・スズキ・メソードの指導者には、正指導者、准指導者、初級指導者(ピアノ科とフルート科のみ)があり、それぞれに指導できる範囲が決まっていること。
など。
 質疑応答では、現在、音楽教室をお持ちの先生から、スズキ・メソードに移行した場合に、スズキ・メソードの会員になる生徒さんと従来の生徒さんが混在する場合への対応について質問があるなど、活発な質問が続きました。

 次に、東京藝術大学教授で講師会長の東 誠三先生から、スズキ・メソードの指導者になるにあたっての心得などをお話しいただきました。詳しい内容は、後日、このページで紹介させていただきます。

 なお、今回のような指導者養成プログラム説明会は、今後も各地で開催される予定です。また、スズキ・メソードの指導者養成に関する様々なお問い合わせ・質問などは、こちらへ 
才能教育研究会東京事務所メールアドレス

午後の部 13:00〜18:00 ヴァイオリン科マスタークラス
 同じ会場で、ヴァイオリン科特別講師の竹澤恭子先生によるヴァイオリン科マスタークラスには、6人の生徒が以下の曲で参加されました。
・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47 第1楽章
・サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ロ短調 Op.61 第1楽章
・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77 第3楽章
・ヴィターリ:シャコンヌ ト短調
・ショーソン:ポエム(詩曲)Op.25
・ヴィターリ:シャコンヌ ト短調

 受講時間は、一人45分間。熱のこもった竹澤恭子先生によるご指導は、しばしば時間オーバーになりましたが、それぞれの生徒たちへの的確なご指摘は、さらに一歩上を目指すためにも必要なことばかりでした。聴講された方々にも「一言も聞き漏らしたくない」という空気が生まれるほど、集中力の高いセッションとなったのです。

 この日のマスタークラスを終えた竹澤恭子先生からのご感想を紹介しましょう。

 桜の花も満開間近の東京で、スズキ・メソードの生徒さんにマスタークラスを担当させていただきました。月日の経つのは早いもので、こういったマスタークラスをさせていただきましたのは、6年前に松本で開催されました世界大会以来になります。

 このたびは6人の生徒さんの演奏を聴かせていただきましたが、それぞれに真摯にひたむきに音楽に取り組んでおられ、しっかりと勉強されていることを、とても嬉しく思いました。

 人の心に響く音楽を創っていくということには、まず楽器を自分の身体の一部とい感じられるぐらいに弾き熟せること、そして演奏する作曲家の作品を深く理解し、作曲家の意図を読み取ること、そして、表現したいメッセージを確実に楽器を通して表現できること、などなどいろいろな要素が必要になりますが、今回の生徒さんたちは、とてもいいディレクションで、バランス良く勉強されていると思いましたし、私がお伝えしたいと思うことに対し、とても敏感に反応し、吸収してくださったと思います。

 私自身も胸を打つ、心に響く音楽とは、ということを常に念頭において、こうしたマスタークラスにのぞんでいるのですが、その中で、大切なことの一つに、演奏者それぞれが「これが私の音です」と自信を持って言えるくらいの、その人なりの「声」を持つということがあると思います。

 そして、惹き付けられる魅力的な音というものは、ただ単に美しというだけのものではなく、その奏者の感性やその人の心や生き方が宿った音なんだと思います。鈴木鎮一先生は音の研究を生涯を通して続けておられましたが、そのことの大切さを今あらためて痛感するとともに、その教えがあったからこそ、そのことが今の演奏家としての私を支えてくれていると思います。

 これからもマスタークラスの機会があるかと思いますが、自分の経験を活かして私なりに、大切にしていることをお伝えしていけたらと思っておりますし、自分自身もこういった経験から少しでも成長していけたらと思います。

 受講された生徒さんの声も紹介します。

ブラームスのヴァイオリン協奏曲で受講された相川綾音さん(守田マヤ先生クラス)
 竹澤先生に技術の根本から教えていただき、これから練習すべきことばかりでした。これからの練習について見直す機会となり、有意義なものでありました。このレッスンを最大限活かせるよう、努力していきたいです。

ショーソンのポエムで受講された雨川笑子さん(斎藤りえ先生クラス)
 拙い演奏でしたが、竹澤先生に熱心にご指導していただき、大変充実した時間を過ごすことができました。教わったすべてのことが新鮮でした。目の前で実際に先生の演奏を目で見て、音を聴き、吸収することができ、とても勉強になりました。音・響きの方向性、音色、楽器が鳴るツボや自分の音楽を探すことなど、自分に足りないことが見い出せたように思います。また今日から先生のご指導を吸収、消化し、鍛練していきたいと思います。このような貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございました。

ヴィターリのシャコンヌで受講された芳賀詩音さん(守田千恵子先生クラス)
 今回のレッスンを通して、私は体の使い方について学ぶことができました。楽器の持ち方やヴィブラートのかけ方など、日頃注目できていなかったところを教えていただきました。また、自分の身体が硬いことは知っていたつもりでしたが、このレッスンを通して、弓を持つ手にも影響が出ていることを知りました。そんな私に竹澤先生は、丁寧にいろいろなトレーニング方法を教えてくださいました。このレッスンで教わったことを大切に、これからも練習していきたいと思います。