OB・OG会が第12回コンサートを開催。スズキ・メソード出身のヴァイオリニスト、渡辺玲子さんとモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番で共演します。



 年に1度の「楽器を持って集まろう会」、そして同じく年に1度、5月にコンサートを開催しているスズキ・メソードOB・OG会が、2019年5月12日(日)、国立オリンピック記念青少年センター大ホールで、多岐にわたり活動されているヴァイオリニストの渡辺玲子さんと共演します。
 その渡辺玲子さんから、今回の共演に寄せて、メッセージが届いています。

OB・OG会でのモーツァルト協奏曲第5番の共演に寄せて
渡辺玲子さん
 512日に開催のOBOG会コンサートで、3回目となる共演をさせていただきます。今回のプログラムではモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番を演奏しますが、3歳半から7歳になるまで続いた私のスズキ・メソードの勉強過程での到達点が、このモーツァルトの5番のコンチェルトであり、最後に参加した小2の夏期学校では模範演奏をして鈴木鎮一先生に褒めていただいた思い出があります。大人になってからは、日本のオーケストラとも多くの共演の機会をいただきましたが、チェコのオーケストラとチェコ国内で、そして日本のツアーを通して共演したことも多く、私のレパートリーの中でも最も好きな協奏曲の一つです。

 モーツァルトは5つのヴァイオリン協奏曲を1773年から75年にかけて書いていますが、第5番はワシントンDCのアメリカ議会図書館に存在する自筆譜のサインによると、177519歳の12月にザルツブルクで完成しています。他の4曲に比べて規模も大きく、モーツァルトのすでに成熟した創造性が発揮された名曲です。モーツァルトは177014歳の11月にザルツブルクの宮廷オーケストラのコンサートマスターに就任、ウィーンに移る1781年まで務めました。この仕事には、作品を書き、協奏曲のソロを演奏することも含まれていましたから、作曲家自身がこれらの協奏曲で独奏したことは当然でしょう。

 第1楽章のオーケストラによる提示部の後の独奏ヴァイオリンのオープニングは、イ長調の和音の中で、花びらが開くように静から動への魔法のような瞬間があり、何度弾いても鳥肌が立ちますし、その後に続くアレグロは技巧的な華やかさと楽しさでいっぱい。ホ長調で書かれた美しくやわらかな第2楽章に続いて、「トルコ風」と銘打たれた第3楽章は、優雅なメヌエット風のロンドに挟まれた中間部で一転、トルコ風のリズムとエキゾチックな和声で疾風怒濤のドラマが展開されます。このように何度弾いても新たな喜びと驚きを感じさせてくれる素晴らしいコンチェルトです。

 5月のコンサートで、皆様とご一緒にモーツァルトの美しくもドラマティックな世界を体験できることを楽しみにしています。

2019年5月12日(日)13:00開演
国立オリンピック記念青少年総合センター 大ホール
 前半は、関東地区有志の先生方の子どもたちによるアンサンブルフェスティバル。
 後半が、第12回OB・OG会コンサートになります。
 OB・OG会の出演時間の目安は、15:00頃です。
入場料 1,000円
演奏曲目
 ①パッヘルベル:カノン
 ②モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 「トルコ風」 K. 219
 ③ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲イ短調(a-moll)より第1楽章
 ④鈴木鎮一:キラキラ星変奏曲
チケットの申し込み先
 スズキ・メソードOB・OG会事務局 メール