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OB・OG会が第12回コンサートを開催。
スズキ・メソード出身のヴァイオリニスト、渡辺玲子さんと
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番で共演しました。

 5月12日(日)、国立オリンピック記念青少年総合センター大ホールで開催された「OB・OG会第12回コンサート」。演奏したモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番は、スズキ・メソードでヴァイオリンを学ぶ子どもたちにも、もちろん指導者の皆さんにもおなじみの曲ですが、スズキ出身のヴァイオリニスト、渡辺玲子さんの手にかかると、こんなにも魅力的で、神がかり的なオーラを伴った演奏になる、という名演となりました。

 「長い曲、と思っていたのに、アッという間に終わってしまうほど、楽しかった」「渡辺さんご自身が、とても楽しんで弾かれていて、それを指揮の金森圭司先生はじめ、OB・OG会の皆さんが嬉しそうに演奏されていたのが良かった」など、お褒めの言葉を数多くいただきました。演奏後、会場のあちこちでスタンディングオベーションもあり、演奏したOB・OG会の皆さんにとっても、とても手応えの確かなコンサートとなりました。

 前日のリハーサルをご覧になられた野口美緒先生(関東地区ヴァイオリン科指導者)から、素敵なご感想をいただきました。

 「玲子先生が前に立たれるだけで、『こういう音楽にしよう』というオーラに包まれて、オーケストラが活き活きと演奏していました。心が震えるほどのソロの音の伸び、説得力、変化の幅。冒頭や、劇的な転調の箇所などは音程の大切さを追求。メロディを音や拍で合わせるのではなく、音楽がどこに向かうのか、流れを共有し、必要なところに時間をかけ、呼吸することも確認。一つひとつの音を大切に、音色の変化についても探求されていました。スズキを大事に思ってくださっているソリストが、様々な年齢、音楽歴のOB・OG会メンバーに、一流の音楽を惜しみなく伝えられ、妥協せずに『真・善・美』を求める姿勢に背筋が伸びました。第2楽章では和音が美しく変化していく様子が色となって目の前に広がり、第3楽章は目の前で場面転換が行なわれるかのように雰囲気が何度も変わり、聴き終わると、まるでオペラを1曲聴いたかのような満腹感、感動で涙ぐんでしまいました」

 
指揮の金森圭司さんと渡辺玲子さん 渡辺玲子さんご自身も、「3歳半から7歳になるまで続いた私のスズキ・メソードの勉強過程での到達点が、このモーツァルトの5番のコンチェルトであり、最後に参加した小2の夏期学校では模範演奏をして鈴木鎮一先生に褒めていただいた思い出があります。何度弾いても新たな喜びと驚きを感じさせてくれる素晴らしいコンチェルト」とお話しされていたモーツァルトの5番コンチェルト。OB・OG会としても思い出に残るコンサートとなりました。

 なお、予定されていなかったアンコールを急遽演奏していただくことになりました。舞台の奏者たちの思い、聴衆の皆さんの思いは「もっと、玲子さんの音を聴きたい」というのが正直な気持ちだったのです。瞬間的に絶妙な間を生み、それにとっさに応える形で玲子さんが選ばれた曲は、パガニーニ作曲『パイジエッロの「水車屋の娘(ネル・コル・ピウ)」の「うつろな心」による変奏曲ト長調(作品38)』。この曲は、ジョヴァンニ・パイジエッロが作曲したオペラ美しい水車小屋の娘(Nel cor più non mi sento)』の中のアリアをパガニーニが編曲したもので、冒頭からコンチェルトのカデンツァのように超絶技巧が散りばめられた作品。導入部とテーマ、7つのバリエーションと終結部を演奏すると14分もの大曲ですが、この日は、カットバージョンでの演奏でした。

 それにしても、急遽、アンコールすることになられたにも関わらず、圧倒的な技巧と情熱を注がれた玲子さんの演奏は、ものすごいサプライズ。この日が結成10年目のスタートとなるOB・OG会を後押ししてくださるような名演でした。

 興奮冷めやらぬ舞台に、OB・OG会コンサートに先んじて開催された第24回アンサンブルフェスティバルに出演していた子どもたちや玲子さんも参加しての、ヴィヴァルディのa-moll第1楽章。そして会場からの飛び入り参加もあったキラキラ星変奏曲。舞台いっぱいの大人数でのフィナーレとなりました。

名古屋、四日市、大阪から参加するメンバーもいて、輪が広がってきました 今回のOB・OG会コンサートには、新しく参加されたメンバーも多く、演奏活動はもちろんのこと、舞台セッティングなどそれぞれの役割分担にも積極的な動きがあり、演奏には参加せず、裏方でサポートに徹したメンバーもいました。そして、終演後は、夜遅くまで賑やかに交歓風景が展開されました。スズキ・メソードで育ったOB・OGたちに、「大人のスズキ」を実践中の方など、幅広い世代が集まるOB・OG会ならではの光景と言えるでしょう。

 2020年は5月10日(日)、同じ会場での開催がすでに決定しています。
 スズキ・メソードOB・OG会には、スズキ・メソードで学んだことのある方なら、どなたでも参加できます。また、現在、スズキ・メソードの教室で学ばれている「大人のスズキ」の皆さんもOKです。奮ってご参加ください。
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