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鈴木鎮一先生の生誕120年を祝う
記念コンサートを10月7日(日)に開催しました。 

 10月7日(日)、台風一過で夏の暑さが戻ったかのようなコンサート当日。才能教育会館ホールでは、和装姿の早野龍五会長のご挨拶の後、登場された豊田耕兒先生は、甲信地区指導者会のオーケストラの皆さんを促しながら、背後の鈴木鎮一先生の写真に向かって全員で一礼。以下の曲を演奏されました。

①鈴木鎮一:弦楽アンサンブルのためのワルツ ニ短調
 (指揮:豊田耕兒先生)
 鈴木先生がワルトラウト夫人とベルリンで挙式を挙げた1928年の作曲。もっともっと演奏されていい名曲。指揮:豊田耕兒先生、管弦楽:甲信地区指導者弦楽団+松本室内合奏団(賛助出演)
②モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
 (ピアノ:東 誠三先生、指揮:豊田耕兒先生)
 東 誠三先生の驚異的な集中力が発揮されたモーツァルトのピアノ協奏曲。惜しみない拍手が続きました。
③モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調K.364
 (ヴァイオリン:鈴木秀太郎先生、ヴィオラ:豊田耕兒先生、指揮:臼井紳二先生)
 輝くようなヴァイオリンと円熟したヴィオラの音色をじっくりと堪能することができました。
④鈴木鎮一:キラキラ星変奏曲
 (聴衆の皆さまも参加)
 会場に駆け付けた各地区の指導者やOB・OGたちも、最後のキラキラ星変奏曲に参加しました。全体がスズキファミリーとして、独特の雰囲気となりました。

◉終演後のレセプションでのお二人のお話。

 豊田耕兒先生 「今回秀太郎先生と一緒に弾くことになったのは、昨年、鈴木鎮一記念館で秀太郎先生がコンサートをされたのがキッカケになり、今日の共演につながりました。120は鈴木鎮一先生にとって特別な数字で、120年の節目をこうしてお祝いできたことは良かったと思います。ここからが、才能教育はスタートです。皆さんにぜひ、がんばってやっていただきたい、それが私の願いです」

 鈴木秀太郎先生「自分は才能教育が立ち上がる前に鈴木鎮一先生に教わっていて、5歳年上の耕兒先生はすでに難しい曲を弾いている上級生でした。一緒に弾くのは出会いから70年以上経ちますが、今回が初めてです。本番もさることながら、そこまでの合わせの中で耕兒先生と音楽のアイデアをやり取りしたことは貴重な経験になり嬉しい。オーケストラも弾くたびに音が融け合っていく感じがして、気持ちのいい演奏ができたと思うので、オーケストラの皆さんにも御礼と”おめでとう”を言わせてください」

◉甲信地区指導者の皆さまから、メッセージを寄せていただきました。

(五十音順)

井上悠子先生
 鈴木鎮一先生の生誕120年という大きな節目のコンサートに、豊田先生・鈴木秀太郎先生・東先生のバックで演奏者として参加させていただけましたことは、まさに幸運の一言に尽きると思います。ある種、ご褒美のようにも感じられるとても贅沢な時間であり、幸せを噛み締めながら一弓入魂、弾かせていただきました。
 この機会をいただきましたことに感謝ばかりです。実行委員会の先生方には本当にお世話になりました。誠にありがとうございました。
 甲信地区指導者オーケストラは、指揮の臼井紳二先生とコンミスの五島美佳先生の誠実、かつ勤勉な姿勢に導かれ、次第に心の揃った音に変化するとともに、豊田先生の熱心なご指導に応えたいと進化していったように感じました。
 豪華な顔触れで盛大なコンサートにもかかわらず、どこかアットホームな温かい雰囲気で包まれていたのは、音を出す側も聴いていらした方々も皆、鈴木鎮一先生への何か温かい想いを共通に心の中に持って、その刻を過ごしていたからでしょう。スズキ・ファミリーの一員として素晴らしい体験をさせていただきましたこと、改めて感謝申し上げます。

臼井紳二先生 
 3月に「コンチェルタンテ」の指揮のお話を豊田耕兒先生からいただき、手に余る大役に不安しかありませんでしたが、もう二度とこのような素晴らしい勉強の機会に恵まれることは無いだろうと思い、腹を括りました。
 鈴木秀太郎先生の美しく張りのある音、豊田先生の温かいヴィオラの音色に包まれ、また、鈴木鎮一先生のお写真にも見守られ、至福の時をステージで共有できて幸せでした。本番前はプレッシャーで胃の痛くなる日々でしたが、ホール内に「キラキラ星」のメロディーが溢れた時は本当に感動的でした。実行委員はじめ、関係各位のご尽力に心から感謝いたします。

小幡あつみ先生
 豊田先生に「皆さんとこうして素晴らしい音楽をご一緒できてとても 嬉しく思います」と、リハーサル前にお話をいただき緊張が高まりました。豊田先生秀太郎先生東先生の音楽への探求心導かれてこの演奏会に参加できましたことを感謝しております。

小幡 毅先生
 10月7日、この日は鈴木先生への感謝の一日。豊田先生が鈴木秀太郎先生と演奏をしてくださるとご提案くださったこと。そして本会も大きな手助けをしてくださったこと。どれも甲信地区指導者会にとって感謝の一日でした。
 豊田先生が秀太郎先生との「コンチェルタンテ」の素晴らしい演奏をし終え、大きな拍手の中、舞台袖に戻られた時の表情はとても険しく、一瞬悪いことがあったかと私は思いました。しかし、次の瞬間、続いて舞台を下りて来られた秀太郎先生に、再度拍手にこたえて舞台に上がろうと促がされた豊田先生はというと、満面の笑顔で振り向き、鳴り止まぬ拍手の中、舞台に戻って行かれました。
 あの険しい表情は、私には計り知れない「豊田先生の鈴木鎮一先生への感謝と尊敬」だったのではないかと思うのです。
 このことと記念コンサートに関わるすべてに、そして鈴木鎮一先生に厚く感謝を思う一日でした。

嘉納令奈先生
 演奏が始まる前に出演された先生方が鈴木先生のお写真に一礼される姿がとても美しく、印象的でした。「音にいのちあり 姿なく生きて」鈴木先生の仰った言葉を思い起こす素晴らしいコンサートでした。

北沢加奈子先生
 ステージの演奏者も客席の皆さまも、スズキの心が一つになったと感じたひと時でした。鈴木先生の遺してくださったこのスズキ・メソードを実践し、次の世代へ繋げていく使命を、覚悟を改めて感じました。豊田先生、鈴木先生、東先生の素晴らしい音の後ろでオーケストラに参加させていただき、幸せでした。

小出倫代先生
 120周年コンサートを、豊田耕児先生をはじめ、鈴木秀太郎先生、東 誠三先生とご一緒に演奏させていただきました。大変名誉なことで、心より感謝いたします。
 鈴木鎮一先生が残していってくださったこと、自分自身気持ちを新たに、子どもたちへ伝えていかれたらと思います。ありがとうございました。

五島美佳先生
 当初の企画からどんどん話が大きくなり、正直ここまで大変になるとは思いませんでしたが、鈴木秀太郎先生はじめ、東先生、そして豊田先生の感動的な演奏に参加できたことを嬉しく思います。
 今回ほど何かの演奏会の前に真剣に何度もパート練習をしたことはなく、甲信地区指導者が一丸となって演奏会に向けて臨めたというのは、甲信地区指導者の結束にも繋がった気がしました。
 遠くからコンサートに来てくださったお客様、指導者の方々にも感謝です。先生方の深い音色が会場を包み込んで、ステージと客席が一体となった本当に素敵なコンサートでした。

酒井玲子先生
 私が才能教育音楽学校2年目の春に、鈴木鎮一先生の「喜寿祝賀コンサート」が行なわれました。その時の豊田耕兒先生の演奏に感動したことを覚えています。後にその先生とご一緒に出演させていただける機会に恵まれるとは夢にも思いませんでした。
 ですから、今回、その想い出のコンサートの時の鈴木先生の写真が飾られているステージでの演奏は本当に感慨深いものでした。
 豊田先生の鈴木先生への畏敬の念と音楽に対する熱意の下でのレッスンは、本当に貴重な充実した日々でしたし、また、鈴木秀太郎先生、東 誠三先生からも多くのことを学ばせていただきました。
 フィナーレの「キラキラ星」の演奏は皆の鈴木先生への思いで会場が一杯に満たされ、鈴木先生はいつも私たちとともにいてくださるのだと改めて実感いたしました。
 このたび、ご尽力いただきました先生方、スタッフの方々に御礼申し上げます。ありがとうございました。

坂本七美先生
 ここ数年、公私ともに、ただ慌しく底の浅い毎日を過ごしてきた私にとって、傍観者でなく、当事者となるコンサートは、大変荷が重いものでした。
 豊田先生の並々ならぬ想いを地区委員長、降旗先生より伺うたびに、その重圧で鈴木先生に想いを馳せる余裕もない日々を送ることとなってしまいました。
 前日のお墓参りでもボーっとしており、当日「先ずは、鈴木先生にご挨拶して…」と言われた豊田先生の言葉に、ようやく目覚めた始末です。
 リハーサル、ゲネプロ、本番とたった3回の練習の中での、豊田先生の変化の高さに感動を覚えると同時に、「どの子も育つ 育て方ひとつ」の源流、鈴木先生が「育って欲しい」と願う姿を体現していただいたように感じました。
 豊田先生の奏でる音ひとつに、伴奏しながら、涙が溢れるのを止めることができませんでした。近年、感動もできなくなっていた自分の心に温かいものが流れた瞬間でした。
 鈴木秀太郎先生、東先生の素晴らしい音色と、豊田先生の厳しくも温かく、深い集中の中で過ごした時間は、音楽院生時代、鈴木先生が求められた音の深さ、大きさの中に身を置いていた、あの素敵な環境を思いださせてくださいました。
 今年発行された「鈴木鎮一のことば集」の中に、鈴木先生のこんな言葉を見つけました。
『私は才能教育運動というものを、善の世界だと信じて始めました。そして、この事に私は、今こそ命をかける意義を知りました(1953年)』。
 この鈴木先生の強い思いから生まれたスズキ・メソードを、その本質を見誤ることなく、伝える努力ができるのだろうか。大きな反省を迫られた時間でもありました。
 感動と反省!失いかけていた感性を呼び覚ましていただいたコンサートとなりました。

佐々木衣子先生
 先生方の伴奏をさせていただけたことは、大変光栄で、とてもたくさんのことを勉強させていただきました。当日は、ステージと客席が一つになって、鈴木先生への想いが会場に溢れました。感謝でいっぱいです。

佐々木孝子先生
 豊田先生、鈴木先生、東先生との共演はとても貴重な体験でした。崇高な音色と音楽性を生で実感できました。甲信地区の先生方も遠くから何度も練習に通ったり、大変だったと思いますが、気持ちがまとまり、良かったと思います。

島野ロンダ先生
 鈴木先生が後ろにかかっている写真の中で、一緒に弾いている中で、奏でられた素敵なコンサート。
 豊田耕兒先生と鈴木秀太郎先生をはじめ、様々な時代に鈴木先生を知り、いろいろな経験を鈴木先生とされてきた先生たちと同じステージで弾けたことは、私にとって素晴らしい経験でした。鈴木先生のお祝いのためには少し小さいホールと最初は思ったものの、本当はここが最適な場所だと気づかされました。何人もの先生方、そして私も鈴木先生と勉強をした思い出のある場所。ここが世界に広まった先生の考え方・教え方の発祥地。鈴木先生、お誕生日おめでとうございます。

塚尾桃子先生
 弦楽で参加させていただきました。鈴木先生への想いを音に乗せて、奏者と聴きに来られた方も会場が一体となり、とても感動的なコンサートでした。この感動を胸に、これからも日々精進して参りたいと思います。

伴野きよ子先生
 このたびの記念コンサートに参加させていただき、この日が思い出深い一日となりました。指導者になる前から、あの会館ホールで鈴木先生より多くのことを学び、その後、甲信地区の指導者として今に至っております。

外山陽子先生
 まったく私的で恐縮ですが、108日に会館ホールで卒業演奏会をさせていただき、鈴木鎮一先生から指導者のお免状を頂戴いたしました。30年後の昨日、同じステージで、ご尊敬申し上げています先生方と一緒に演奏をしていることに、大変感慨深い思いを感じました。
 すべてが温かな気持ちで満たされている会場の中で、生前の鈴木先生が仰られました「私たちは家族」のお言葉を思い出し、私も家族の一員であることに感謝しながら演奏をさせていただきました。

中島玉絵先生
 鈴木鎮一先生を感じる、幸せな時間でした。「音に命あり」の言葉を思い出しながらの演奏に久しぶりに涙がにじみ、楽譜がぼやける音だけの世界に入ったようでした。準備から当日とすべてに関わっていただいた方々、先生方、お客様に感謝申し上げます。

野口麻紀先生
 今回は、この素晴らしい機会にご一緒させていただき、円熟された先生方の音色を身近で触れることができ、勉強させていただいたことは、私にとってかけがえのない時間となりました。
 先生方の音楽家としての信念や、音楽に対する真摯な姿勢、またいくつになっても勉強と挑戦する気持ちを持ち続ける素晴らしさ。この貴重な経験を、これからの指導を通して少しでも子どもたちに伝えられるよう、私も日々精進して参りたいと思います。
 改めて、鈴木先生の偉大さと、先生を通して広がる出会いに感謝したいと思います。

原かれん先生
 豊田先生の音楽に対する謙虚でひたむきな姿勢に、演奏中は涙が出そうになるのをこらえて弾きました。東先生のコンチェルトは音楽に対する誠実さとして最高峰に位置すると思います。どちらも日本の「----道」というところに於てのアイデンティティーを強く感じずにはいられない素晴らしい演奏で、鈴木先生の信念に通じるルーツを感じとることができました。

平波華映先生
 このたび、素晴らしい先生方のバックで演奏させていただき、そして、会場の皆さんとあのような温かい時間を共有できたことスズキの指導者として、一生の宝となりました
 『音にいのち在り』、スズキ・メソードの神髄を、広く多くの方に知っていただき、鈴木先生が願っておられた すべての子どもの幸せのために≫、これからもスズキの指導者として努力してまいります。ありがとうございました。

増澤治雄先生
 コンサートは、鈴木鎮一先生 生誕120周年の節目を祝うに、最も相応しい形だったと思います。豊田耕兒先生と、鈴木秀太郎先生、東 誠三先生の綾なす響きの空間にスタッフとして共存でき、貴重で光栄な経験となりました。

宮下朱里先生
 このたびは「鈴木鎮一先生ご生誕120周年記念コンサート」、ご盛会おめでとうございます。この素晴らしい節目のコンサートに参加させていただいたこと、大変光栄に思っております。
 鈴木先生への想いを馳せながら、東 誠三先生、鈴木秀太郎先生、そして恩師である豊田耕兒先生の織り成す音楽に寄り添えたことは、私にとって、とても嬉しく、感慨深い経験となりました。
 数十年前、まだ幼稚園生だった私にユーモアたっぷりのレッスンをされ、膝に乗せ、写真を撮ってくださった、お優しい鈴木先生。
 先生の願いがこの先も末永く世界中に広まって行くよう、私も微力ながら努力していきたいと思います。

宮下理恵先生
 卒演後、「しっかり頼むよ」と言葉を掛けていただいた時の、肩にポンと置かれた手の温もりと、優しくも厳しいまなざし…その一瞬を私は忘れたことがありません。すべては子どもたちのために…何をすべきか、未だに模索する日々ですが、先生に『何やっとるんだね」と言われぬよう、これからもできることを〝しっかりやります!〟〝ホントです!〟

結城三紀子先生
 豊田耕兒先生と鈴木秀太郎先生のご高齢にも関わらず、大変素晴らしい演奏に感激いたしました。鈴木鎮一先生もきっと天国より喜ばれておられることと思います。

(匿名)
 本番に向けて、全体練習の他にパート練習もあり、出演する先生方とたくさんの時間を共有させていただきました。同じ目的に向かってがんばることで、特に同じパートの先生方と前よりも近しくなれたように感じているのが私だけでないと良いなと思います。
 練習してきた数ヶ月間も本番も充実した時間でした。このような心が震える経験をさせていただき、鈴木先生と豊田先生と音楽に感謝します。こういった感動を生徒たち親御さんたちにも感じてもらえるように指導をしていきたいと思います。