191113-1_20191130153143723.jpg 191113-2_20191130153143724.jpg 191113-3.jpg 191113-4.jpg 191113-5.jpg

スズキ・メソードの指導者4名が、全国町村議会議長会70周年記念式典で、カルテット演奏!

関東地区ヴァイオリン科指導者 荒木千香子

川沼顕先生(第一ヴァイオリン) 2018年10月23日に政府が開いた「明治150年記念式典」で開演前のBGMと国家『君が代』の伴奏を、仲間のスズキの先生たちと弦楽四重奏で演奏してきました。このお仕事はグランドコンサートで長年一緒に仕事をしてきた設営業者さんからの依頼でした。この式典には内閣総理大臣、衆参両院議長、最高裁判所長官など、官僚や国会議員など約400名ほど出席されていました。

 その中に全国町村議会議長会の事務局の方も出席されていました。そして私たちの演奏を聴かれて、『良いな!』と感じてくださったようで、ちょうど翌年(つまり今年です)にNHKホールで予定されていた『全国町村議会議長会創立70周年記念式典』でも演奏を依頼できないか?と思ってくださったそうです。

 早速、部下に『この人たちを探すように』という指示を出され、なんと部下の方が名前を頼りにインターネットで検索して、私の『荒木千香子クラスホームページ』にたどり着いてくださったのでした!そしてクラスのホームページの『見学問い合わせフォーム』から連絡をくださいました!

大井真智子先生(第二ヴァイオリン)荒木千香子先生(ヴィオラ) 問い合わせフォームには純粋な問い合わせだけではなく、業者の営業担当さんのセールスメールなども入ってくるので、『ああ、またか』と思ってスルーしそうになりましたが、『いやまて、何か違うぞ?!』と文面を読んで、とても驚いたのを思い出します。

 教育部理事の先生とも相談し、せっかくの機会ですので明治150年の時と同じメンバー(川沼顕先生、大井真智子先生、名越菜々子先生)でお受けすることにしました!

 私は恥ずかしながらその時点では『全国町村議会議長会』の存在を知りませんでした。問い合わせくださった事務局の方とお会いして打ち合わせをし、このことを正直に打ち明けると、『僕もここに就職するまで知りませんでしたよ!』と。

名越菜々子先生(チェロ) 町村議会とは、例えば東京都なら檜原村や奥多摩町や八丈島のように、『区』や『市』に属さない『町』や『村』の集まりで、その中でも町長さん、村長さんの集まりの『全国町村議会』と議長さんの集まりの『全国町村議会議長会』があるそうです。『市区』『都道府県』にもそれぞれに2種類ずつあるそうです。ということは全部で6種類になるのかな?

 今回のご要望としては、
・開演前の15分程度のBGM
・12分程度の祝賀演奏
・君が代の伴奏
・表彰式のユダスマカベウスの演奏

の4つでした。
 この式典は毎年開かれているのですが、今年は70周年のアニバーサリーということで、音楽を入れて華やかにされたいとのことでした。参列者約1,800人は60代から70代の男性が主で、クラシックではない曲も交えて皆さんが楽しめるようにとのオーダー。60周年の時には音楽はなかったそうですが、50周年には大人数の吹奏楽団の祝賀演奏があったそうです。

 もう、最後に音楽を入れてから20年ぶりということですね?!これはがんばらないと!と、仲間の先生方と合わせをしながら曲決めをし、私はNHKホールでの業者打ち合わせにも参加させていただきました。

 内閣総理大臣など国の警護対象者も出席される式典ということで、打ち合わせは警察のSPなども参加する、まるでグランドコンサート縮小版。設営はお付き合いはないですが、武道館などにも出入りのある大手の設営業者さんで、音響もグランドコンサートで長年お世話になっている大手業者さん。

 自己紹介の時に『演奏を担当しますスズキ・メソードの荒木です。当日は私含め4名でまいります』と開催要項片手に喋ると、違うスイッチが入りそうになりましたが、演者として初々しい感じで、大人しく打ち合わせに参加しました。

こ〜んなに広かったリハーサル室 さて、いよいよ11月13日、コンサート当日です。NHKホールで弦楽四重奏を演奏するなど、もう一生ないかもしれない機会ですので、楽しみにしていました。平日朝の慌ただしい渋谷の駅に、革張りシートのアルファードのハイヤーでお出迎えいただき、NHKホールへ。それだけでもワクワクしますね!そして、NHKホールの地下の広いリハーサル室を4人で占領しまして、贅沢な音出しをしました。

 さて、このようなイベントにはディレクターやステージマネージャーはつきものですが、この式典自体は毎年のことで、皆さんにとってはいつも通り。ディレクターもステマネもいませんでした。

 ということで、いつも通りではない私たちは、その流れには組み込まれておらず、自分で開催要項を読み込んで必要なタイミングで必要な手配をして動くことになりました。

 一番心配していたのは、3名の方が表彰されるときの「ユダスマカベウス」の演奏で、それが当日になってもどういう風に演奏するのか未確定でした。私もグランドコンサートで天皇皇后両陛下がいらっしゃる回のディレクター兼ステマネを2回経験しているので、国の警護対象者が来られるイベントの当日の分刻みの大変さは、よくわかります。

 これはきっと時間不足でリハーサルができないパターン。でも経験上、「ユダスマカベウス」に関しては予めどうするか決めて、タイミングをアナウンサーや音響さんに伝える必要を感じました。

 そこで、私たちでアナウンス原稿を頼りに、曲を切らずに何度もリピートして演奏し続けること、アナウンスきっかけで演奏開始のタイミングやキリを決めて、リハーサル中のアナウンサーの方に直接お声掛けしてお伝えし、音響さんとも打ち合わせ。

 その他事前に知っておくべきタイムや演奏Qもリハーサル中に情報収集し、演奏するよりも、裏方や運営の方が慣れているスズキの先生たちのグラコンスキルがとても役に立ちました!

 リハーサルをバタバタと終えて、大急ぎで着替えいよいよ本番!再びステージに戻ると、3階席はクローズでしたが、1.2階席はもう1,800人の参列者でいっぱいでした。

 そんな中、まずは開演前のBGMからスタート!

・ボッケリーニのメヌエット
・アンダンテ・カンタービレ
・花(滝廉太郎)
・バッハのアリア

マイクをこんなふうにつけてくださいましたを演奏しました。弦楽四重奏には会場が大きすぎるので、もちろんマイク付きです。少しざわついた中での演奏でしたが、拍手をくださったり聴いてくださる方もたくさんいらっしゃいました。

 さて、そのままステージに残り、数分あいてスポットライトを浴びての祝賀演奏。

・「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第1楽章
・青い山脈
・ソーラン節
・ラデッキー行進曲

の4曲を演奏しました。

 ラデッキー行進曲をご存知の方は手拍子してくださるかな?と思っていましたが、手拍子先導の方がおらず、結果、一般的に手拍子をしない部分もお客様はずっと手拍子することになり、ちょっとしんどかったかな?と反省。クラシック音楽をもっと広めなくては!

 でも、ソーラン節などは大きな拍手をいただき、喜んでいただけたようで良かったです!(後で席次を見て知りましたが、町村議会議長会は圧倒的に北海道からの参加者が多かったです)

 祝賀演奏のあとは国家斉唱です。これは明治150年式典でも演奏しましたので油断していましたが、打ち合わせ通りのタイミングで演奏を始めると、どうも聴こえ方がおかしい。何かやまびこのように微妙にずれる。目視で隣を見ても私たちは合っている。

 するとどこからともなくドコドコドコと太鼓のロールが聴こえて来ました!!
 『もしや、これはCDも一緒にかかっているのでは?!』
ということで、急遽CDにつけました。本番で起こりがちなドッキリですが、生徒の皆さん、CDに合わせるお稽古、いつどこで役に立つかわかりませんよ!

 最後のミッションは表彰式の「ユダスマカベウス」の演奏で、3名の方が表彰される間、リピートして途切れることなく、何回か弾きました。こちらは事前に打ち合わせしていたのでうまくいき、終わりのタイミングもバッチリでした!

 式典は1時間ほどで終わり、私たちが退席する時にもアナウンスと拍手で送り出していただき、温かいみなさまでした。まさかのご縁で、こういった行事に2年連続で出させていただき、貴重な経験をさせていただきました。私たちを見つけて声をかけてくださった、全国町村議会議長会の事務局の方々には、大感謝です!

 メンバーの先生の1人が『生きていると面白いこともあるものですね!』と感想を寄せてくださいました。確かに、ヴァイオリンを弾けることで人生何倍も面白い経験ができているんだろうな!と感じた時間でした。

 ありがとうございました!