圧倒的なオーラに包まれた竹澤恭子さんとOB・OG会が初共演!
「何年も前からOB・OG会との共演のお誘いをいただきながら、日程調整がつかず実現できませんでしたので、このほどの共演、とても嬉しく思っております。
昨今のコロナウイルスにより、今、全世界が厳しい情況の中、懸命に戦っております。このような情況下におかれますと、日々当たり前に生きていたことが、いかにありがたいことであるかを思い知らされます。
自分の愛する音楽を演奏させていただけることのありがたさ、一音一音に感謝の気持ちを込めて演奏していきたいと思います。そして、その音楽が皆様の生きるエネルギーになるようなことがあれば、それ以上のことはありません。」とのことでした。
竹澤恭子さんの演奏は、モーツァルトの軽やかさと華やかさを十二分に感じさせながらも、ダイナミズムに溢れた歌い込みに一際大きな特徴がありました。同じ舞台にいるOB・OG会のメンバーたちも、その紡ぎ出される音の一つひとつに思わず引き寄せられてしまう体験を味わうことができました。強い意思のこもった表現力は、新鮮で、自由で、音楽の喜びに大切に包まれているかのよう。ブラームスとの交流で知られ、かつカール・クリングラーの師でもあったヨーゼフ・ヨアヒム(1831〜1907 )版で演奏されたカデンツァは、まさに恭子さんの真骨頂。音の洪水の中に光が差してゆく様を感じさせました。聴衆からも、「圧巻のブラボー」「音と次の音とのつながりも、間の取り方も、”余裕があるおしゃれ”という感じ」と絶賛の声が寄せられました。
続いて演奏したのが、バッハのドッペル。OB・OG会では、以前に木村眞一会長と紿田俊哉副会長のお二人で、同曲の演奏を披露したことがありました。今回は、OB・OG会がお世話になっている関東地区ヴァイオリン科指導者の守田千惠子先生と守田マヤ先生よる、息のあった親子共演が実現。ソロを終えたばかりの竹澤恭子さんがコンサートマスターに、そして豊田耕兒先生の指揮という豪華な布陣は、まさにOB・OG会ならではでしょう。
そして、おなじみのパッヘルベルの「カノン」が、関東地区チェロ科指導者の宮田豊先生の指揮にかかると、曲のイメージがよりダイナミックに、そして文字通り「豊か」になりました。宮田先生らしいアプローチの仕方は、この曲の魅力が増すことに成功しました。
最後は前半のアンサンブルフェスティバルに出演した生徒さん、そして会場にヴァイオリンを持参した生徒さんたちとの共演。ヴィヴァルディのa-mollから第1楽章とキラキラ星変奏曲。いずれも竹澤恭子さんの音頭で進めるという、OB・OG会らしいスタイルとなりました。こうした世代を超えての共演は、全員がスズキ・ファミリーとして感じられ、充実した時間となりました。