早野龍五会長と保護者との
「第3回ネット交流会」を開催しました!
早野 おはようございます。保護者の皆さんとのネット交流会の第3回になります。第1回は昨年8月20日に開催し、1時間で47本の質問に答えました。第2回は、昨年12月25日に開催し、チェロ科出身の上野達弘理事が登場されました。私たちも上野理事のスズキとの関わりをそれまでに長い時間聴くことがなかったので、大変嬉しかったですね。
→第1回ネット交流会の様子
→第2回ネット交流会の様子
今年は、松本で夏期学校を対面で開催しますが、このネット交流会は、夏期学校の中で保護者との懇談会というのが元々の企画でした。それがコロナですべてオンラインになりました。そこで、理事の方と保護者の皆様がオンラインで交流できればと思って、この「ネット交流会」を始めた次第です。今日は、指導者の末廣悦子先生、永田香代野先生、石川洋子先生、上杉亮子先生にも出席いただいております。それでは、黒河内さんにお話しいただきましょう。
山下先生は今思うと大陸的で優しい先生でした。毎週金曜日の会議で当時はお元気でいらした鈴木鎮一先生から「こんなことで怒られた」という話を、山下先生からよく聞きました。私自身は、何ヵ月も同じ曲でも気になりませんでしたが、特に母親は気になったようで、山下先生に進度についてはよく聞いていたようです。母は、本当に厳しかったですね。小学校に上がるまでは、叱られた思い出しかありません。とにかく鈴木先生のお考えに心酔していました。今でも機関誌の巻頭言を読みますと、母の姿を思い出します。
スズキで身についたことは、一つのことを粘り強くやり抜くことですね。どんなことでも簡単には諦めません。地道にやることです。それに、音楽の良さを味わえることを通して、直感力も磨かれたように思います。
60歳の定年以降は会社に残留するよりも、別の環境に身を置きたいと思っていた時に、バイロイト音楽祭で本日ご出席の末廣悦子先生と出会い、早野会長らとの面談を通して、現在の立場になりました。
ここからは質問タイムです。黒河内理事が質問に答えながら、かつ進行役も務めてくださいました。
黒河内 いくつか質問をいただきました。「最近はどのような練習をしていますか」ということですが、毎朝、ラジオ体操をしてから、6時40分から7時までの20分間は、ヴァイオリンの練習にあてています。疲れている時など継続するのは大変ですが、やはり毎日が大切というのがスズキ・メソードですから、音階練習や、今日はこのページだけと決めて、ゆっくりと課題曲を弾くことを続けています。時間にも気持ちにも余裕のある日は、憧れの曲でありながら自分の技量でも弾けるヴァイオリンソナタを弾いています。
早野 黒河内さんのラジオ体操の後の20分というのは、すごいなと思いましたね(笑)。僕は都心の集合住宅に住んでいますので、黒河内さんのような時間帯に音を出すことが禁じられています。どうしても練習が必要な時は、サイレントヴァイオリンを弾きますが、ヴァイオリン科の先生方には叱られますね(笑)。何か目標がないと練習を続けるのは難しいと思います。その点、人前で弾く機会に向けて練習をすることがモチベーションの一つになっています。
お子さんたちにもいつも言っています。「本番が大事だよ」と。卒業録音やいろいろなコンサートで弾く、先輩たちが弾いているのを聴く、という経験がお子さんたちにはすごくモチベーションになると思います。そういう機会がたくさんあるのは、スズキならではですね。
最近、お誘いがあって、浅草や表参道でジャズヴァイオリンを弾いています。スズキの楽曲とは違って、チャレンジになりますが、僕の大きなモチベーションにもなっています。
早野 そういえば、鈴木先生のレッスンでは、「今日は、ヴァイオリンのケースを開けるだけの練習をしましょう」というのがありました。お子さんごとにその日の様子を見て、できることを少しずつ増やしていくということだったろうと思います。
黒河内 今日ご参加の保護者の皆さんで、習い事をされていた方、どのくらいいらっしゃいますか。あ、結構いらっしゃいますね。逆に、お母さんなりお父さんが楽器をされて来られなかった方の場合、いろいろと大変かと思いますが、永田先生、いかがですか?
黒河内 以前の機関誌のアンケートでも、「子どものお稽古をするためにお母さんが1,000回くらい練習したら、子どもも発奮して良い刺激になったようです」というお答えもありました。親御さんもがんばっている姿がいいようですね。同じアンケートで、「毎日練習していますか」という質問と「どんなタイミングで練習していますか」という質問をクロス集計した時に「家族で決めた時間に練習しています」というお答えのおうちの80%が毎日練習しているという回答で、他のタイミングで練習している場合と比較して、毎日練習できている率が顕著に高かったです。そこから見えてくるのは、朝でも夕方でもその時間になったら、そのお稽古を始めるという習慣です。それが家族のリズムになっているようです。家族全員で相談して、その時間になったらお稽古を始めるというのが、実はお子さんにとってもストレスがないのかなと思いました。
ところで、ピアノ科の皆さんにお尋ねしたいのですが、夏期学校でのピアノ科のグループレッスンでは、先生方もどう楽しんでいただこうかと毎回アイデアを練っていらっしゃいますが、これまでの経験で、どんなところに楽しさを感じていらっしゃいますか?
保護者 コロナの前でした。市民芸術館で鍵盤ハーモニカとか打楽器などいろいろな楽器を持って、「茶色の小瓶」を演奏した時が楽しかったですね。それと2台ピアノで4人一緒に連弾した時もすごく楽しかった思い出があります。
保護者 「ご飯食べたらお稽古する」というように、日常生活の中にルーティンとして入れていく楽しい仕掛けが必要なんだなとあらためて思いました。なかなか難しいことですが、ありがとうございました。
この夏は、多くの皆さんが夏期学校にいらっしゃると思います。このような機会※を今度は松本で対面にて行ないますので、ぜひご参加ください。
※編集部註:7月28日(金)18:00-19:00 才能教育会館ホールで開催予定
オンラインでもご覧可能です。