「特別講師によるコンサート」を開催したこの日。本当に久しぶりにまつもと市民芸術館にたくさんのお客様をお迎えしてのコンサートになりました。
朝のごあいさつ 8:20〜8:30
教室レッスン・グループレッスンスタート 9:30〜11:30
ピアノ科 おけいこ相談会 9:00〜10:00
ピアノ科 お別れ会 10:30〜12:00
才能教育会館ホールにて、ボディパーカッションやバロックダンスなどの楽しいプログラムが続きました。
午後も引き続き、教室レッスン・グループレッスン 13:00〜15:00
特別講師によるコンサート 16:00〜18:00
主ホールで、名古屋の宗次ホールがスポンサーとして協力してくださった「特別講師によるコンサート」を開催しました。夏期学校期間中に各科で素晴らしいレッスンや講義を行なってくださった特別講師の先生方が、その持てる音楽性を遺憾なく発揮されたのが、このコンサートでした。例年より早い時間帯での一般公開をしましたので、当日券を購入された地元の皆様、そしてオンライン配信で、このコンサート狙いでアクセスされた方々もたくさんいらっしゃいました。
会場は、夏期学校参加者を始め、聴衆の皆様の熱気に包まれました。その中には、このコンサートに合わせ、才能教育研究会名誉会長の豊田耕兒先生と奥様も東京から駆けつけてくださったお姿がありました。
・ショスタコーヴィッチ:2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品
竹澤恭子・江口有香(Vn)、臼井文代(Pf)
・ソッリマ:ラメンタチオ
山本裕康(Vc)
・ショパン:ノクターン 変ニ長調 Op.27-2
・ショパン:ポロネーズ 変イ長調 Op.53「英雄」
東 誠三(Pf)
・ビゼー:第2組曲「アルルの女」よりメヌエット
・シャミナーデ:フルートと管弦楽のためのコンチェルティーノ Op.107
宮前丈明(Fl)、臼井文代(Pf)
・ブラームス:ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 Op.8
竹澤恭子(Vn)、山本裕康(Vc)、東 誠三(Pf)
いずれも名演が続きました。昨年も同じ会場で生でコンサートが行なわれ、オンライン配信もされましたが、やはり満員の聴衆を前にしての演奏にはボルテージも最高潮に上がりました。
ショスタコーヴィッチは、交響曲15曲、弦楽四重奏曲15曲、ピアノ五重奏曲など重厚で、構築性のしっかりした作品が多い作曲家ですが、映画音楽やポピュラー音楽、ジャズの分野も愛していました。この「2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品」は、有名な第1曲プレリュードが、映画「馬あぶ」から、2曲目のガヴォットと3曲目のエレジーが、付随音楽「人間喜劇」から、そして4曲目のワルツがアニメ映画「司祭と下男バルドの物語」から、最後のリズム感あふれるポルカがバレエ音楽「明るい川」からという具合に、出典は意外なところにあります。スズキの生徒さんたちもよく弾かれるこの名曲を、特別講師の皆さんの表情たっぷりな演奏で聴くことができ、大きな刺激を受けたことでしょう。
イタリアの鬼才チェリスト、ジョヴァンニ・ソッリマの名曲「ラメンタチオ」の演奏には度肝を抜かれた方も多いでしょう。山本裕康先生は、巧みに歌声も交ぜながらこの無伴奏曲を披露。チェロの際限のない可能性をあますところなく紹介していただきました。
東誠三先生は、ショパンの2曲。「貴婦人の夜想曲」とも称されるノクターン 変ニ長調 Op.27-2の美しいこと! そして昨年のショパンコンクールで入賞した反田恭平さんも演奏されたポロネーズ 変イ長調 Op.53「英雄」。しなやかさと歌心に満ちた演奏に誰もが酔いしれました。
宮前丈明先生は、指導曲集からの選曲。シャミナーデのコンチェルティーノは、指導曲集10巻!に登場します。フルート科の皆さんにとってはお馴染みの曲になりますが、やはり宮前先生の音は、秀逸。機関誌最新号の「先輩こんにちは」で紹介されたばかりということもあり、注目されました。
そしてトリは、ブラームスのピアノトリオの名曲。ピアノ入りの室内楽の分野にも多くの名曲を残したブラームスは、若い頃の作品であるこの曲に大幅に手を加え、こだわり抜いて完成させた作品でもあります。重厚さと抒情性の豊かさを竹澤恭子先生、山本裕康先生、そして東誠三先生は見事に歌い上げてくださいました。これぞアンサンブル、息遣いまで聴こえてきそうな、アイコンタクトの数々。学ぶところの多い演奏でした。