豊田耕兒名誉会長のご次男でチェリストの豊田里夫さんが、新年1月5日(日)に松本の鈴木鎮一記念館で、さらに1月7日(火)には東京のルーテル市谷ホールでチェロ・リサイタルを開催されました。共演されたのは東誠三会長。お二人の意気のあった演奏で、新年早々のコンサートに集まった聴衆を魅了しました。
新年最初の日曜日のコンサートとなった松本公演は、鈴木鎮一記念館ならではのサロンコンサート的趣き。奏者の息遣いが目の前で繰り広げられる環境の中、定員いっぱいの40名ほどのお客様に楽しんでいただきました。
冒頭は、チェロ科指導曲集第8巻のサンマルティーニのソナタ、そして有名なシューベルトのアルペジオーネ・ソナタ、さらには同じく指導曲集第8巻のサン=サーンスのアレグロ・アパッショナートと馴染み深い曲と名曲のカップリングで嬉しさもひとしお。心地良い響きに酔いしれることができました。
東先生のピアノ独奏による2曲は松本公演のみ。ラヴェル作曲の2曲「亡き王女のためのパヴァーヌ」「古風なメヌエット」を情感たっぷりのノスタルジックな雰囲気に溢れた演奏により、新年を寿ぐのにぴったりでした。
「実は、豊田里夫先生と初めてあったのは、50年以上前になります。テン・チルドレンの海外ツアーでベルリンに立ち寄った時に、当時お父様の豊田耕兒先生、お母様の元子先生が私たちをお迎えにいらしてくださいました。ご自宅でお二人のお子さんたち、弓乃さんと里夫さんに会っています。その時に、元子先生から『この子たちと一緒に演奏できる日が来るといいわね』とおっしゃったことが、60年近く経って実現したことは、たいへん感慨深いですね。ヴァイオリニストのお兄さんとは何回か共演しています。2018年に横浜のみなとみらい小ホールで弓乃さんのヴァイオリンと里夫さんのチェロ、そして海老彰子さんのピアノでトリオなどのコンサートがあって、それを聴きに伺いました。
その時に里夫さんのチェロを初めて聴いたのですが、深く豊かなチェロの音に魅了されました。いつか一緒にと思っていたところ、コロナの最中でしたが、元子先生からお手紙をいただき、里夫さんのリサイタルで弾いてくれないかと。それで二つ返事でお応えしました。ですので、今回のリサイタルは2回目となります。
さぁ、それでは、R.シュトラウスのチェロ・ソナタにまいりましょう。お正月らしい華やかな曲です」と進行役も担っていただきました。
アンコールにもチェロ科指導曲集第8巻からも選曲され、さらに喜びが倍加した1日となりました。写真は、寺田義彦先生からご提供によるものです。
豊田里夫 チェロリサイタル 2025
2025年1月5日(日)15:00開演
鈴木鎮一記念館
入場料:無料(40名様限定)
プログラム
・サンマルティーニ:チェロ・ソナタ ト長調
・シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D821
・サン=サーンス:アレグロ・アパッショナート Op.43
・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ ※ピアノ独奏
・ラヴェル:古風なメヌエット ※ピアノ独奏
・R.シュトラウス:チェロ・ソナタ へ長調 Op.6
(アンコール曲)
・①グラナドス:スペイン舞曲第2番「オリエンタル」
・②ゲンス:スケルツォ
・③サンマルティーニ:チェロ・ソナタ ト長調 よりGrave
続いて、お二人は、1月7日、東京のルーテル市ヶ谷ホールでのリサイタルに出演されました。残念ながら、演奏写真はありませんが、終演後のご様子を寺田義彦先生に撮影していただきました。
ルーテル市ヶ谷ホール
入場料:5,000円(全席自由)
チェロ:豊田里夫
ピアノ:東 誠三
プログラム
・サンマルティーニ:チェロ・ソナタ ト長調
・シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D821
・サン=サーンス:アレグロ・アパッショナート Op.43
・ドビュッシー:チェロ・ソナタ
・R.シュトラウス:チェロ・ソナタ へ長調 Op.6