鈴木鎮一先生のご命日に

 

 1月25日(土)にヨゼフ鈴木鎮一先生とヨハンナ・ワルトラウト夫人の追悼ミサが、カトリック松本教会で行なわれました。今年も早野龍五理事長をはじめ、鈴木鎮一先生から直接薫陶を受けられた多くのスズキ・メソードの指導者や関係者が全国から参列されました。

 毎年、この追悼ミサに参列することで、子どもたちの能力を育むことに邁進された鈴木先生のあゆみに思いを馳せ、自らの生き方や信条にネジを巻く思いになります。早野理事長からのご挨拶にもその想いが含まれていました。

 
 
 早野理事長のご挨拶です。
 本日は多くの方々にご参列いただき、誠にありがとうございます。
 
 明日(1月26日)で、鈴木鎮一先生が亡くなられてから27年が経ちます。この間、コロナ禍で集まれない時期もありましたが、有志の皆様のお力で追悼ミサを続けてこられたことに感謝いたします。現在は、この追悼ミサは本会の公式行事です。今後も続けてまいります。

 今日、私は鈴木先生ご夫妻のお写真の前に座り、先生から「龍五ちゃん、ちゃんとやっているかね」と声をかけられたように感じました。また、奥様からは「リュウゴ、ダメダナイデスカ」とお叱りを受けた気がしました。お写真を前に、「先生、ちゃんとやっています」と言えること、「先生、ごめんなさい」と思うこと、様々な感情が胸に去来しました。ご参列の皆様もそれぞれ、「先生、褒めてください」と「先生、ごめんなさい」の両方の思いをお持ちかと思います。
 
 来年は才能教育運動が始まって80周年を迎えます。久しぶりにグランドコンサートも開催されます。鈴木鎮一先生に「大丈夫、ちゃんとやっています」と胸を張って言えるよう、この一年を過ごしていきましょう。

 
 終戦後80年を迎えた現在、残念ながら当時のことを忘れたかのような悲惨な争いがまだ続いています。終戦後すぐにスズキ・メソードを立ち上げ、世界平和の実現をすべての子どもたちの成長に託した鈴木鎮一先生の思いと行動を静かに振り返り、実践を通してこれからの社会に伝えていく決意を胸に教会をあとにしました。