NHKで放送中の大河ドラマの音楽「べらぼう紀行I」を演奏されている
宮田大さんが、NHK「あさイチ」（2月28日放送）で演奏とトーク！
大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
オリジナル・サウンドトラック Vol.1
COCP-42437 ￥3,500
この日のゲスト、「べらぼう」ヒロイン役の小芝風花さんは、宮田大さんの演奏を目の前で聴いて、「すごい。すてきでした。なんか優しくて、でも力強くて胸がうわあっとなりました」と満面の笑顔。宮田大さんも、すかさず「全速力で、走ったようにどきどきしています。朝からあまり弾くことはないですから」と答えていました。
番組ではこの曲についてや、ご自身のことを、鈴木奈穂子アナウンサーからの質問に応える形で、宮田大さんは次のように話されました。
宮田大さんのトーク
ここまで音楽を大切にして作品を作ってくださるというのは、他になかなかなくて、音に力を入れてくださっていると思うので、こうやって音楽で大河ドラマに一緒に参加せていただけることは、とても嬉しいことです。
毎回毎回ストーリーは変わっていきます。演奏は変わりませんが、見ている方の感情が変わってくれるように余白を残しながら演奏をしていますので、いろいろな場面の感情にこの曲の雰囲気を込めて入ってくれたらいいなと思っています。
生演奏となるとその時の気持ちが反映されます。朝のこの時間ということもありますが、これから起きて、明るく行きたいなという気持ちが、やっぱり演奏にこもったかなと思います。
両親が音楽教師で、ヴァイオリンは2歳、チェロは3歳でスタートしました。チェロに変わったのは、立ち歩くことなく座って弾く楽器だからという理由でした。そのくらい動き回ってばかりいました。その頃から低音が好きでした。家では、クラシックも流れていたけど、ジャズやタンゴ、日本の歌謡曲も流れていて、今まで聴いてきたものが蓄積となって、自分から滲み出る音楽につながっていると思います。
すべてのコンクール（７つ）で優勝という実績は、今から考えるとコンクールは緊張するので、今後は受けたくありませんが、この結果があるからこそ、今の自分があります。コンクールでは、お客様も見てくださっているので、演奏会のような気持ちで演奏するようになってからは、審査されるというよりは、楽しんで演奏したいと思うようになり、少しは自信がついたのではないかと思っています。
高校生の頃に出会った小澤征爾さんからは、「自由に演奏していいよ」「ホールの奥まで届くようにね」「殻を破った演奏をしなさい、今、感じた演奏をしなさい」と言われました。本当に音楽は一期一会ですね。そうやって演奏するとたくさんのお客様からスタンディングオーベーションをいただき、音楽をやっててよかったなと思います。
今、コンサート活動に力を入れています。お客様のいらっしゃるステージに出ていくと、今までたくさん練習してきたパレットにはいろいろな色がついていて、イメージもたくさんあります。それらをステージに出るときには、一旦洗い流してしまいます。それだけに、舞台に出ていくと、五感をすごく研ぎ澄まされるような気がします。お客様の香水の香りだったり、ホールの響きが変わったりを敏感に感じながら、一期一会の、一音一会の音楽を演奏しています。生の演奏会ではそうしたことができるのが楽しみですね。
もう1曲演奏します。「誰も寝てはならぬ」（プッチーニ：トゥーランドットより）は、とても衝撃を受けた作品です。歌曲を演奏するのは、人間の声に似ていると言われるチェロに一番あっていると思います。今使っている楽器は、ストラディヴァリウスのチェロで、世界に50台、60台しかありません。1698年の作で、徳川綱吉の時代です。「べらぼう」よりも前になりますね。
趣味でスキューバダイビングを楽しんでいます。音を仕事にしていることもあって、海の中は音が遮断されるので、ある意味、自分の時間を楽しむことができます。太陽の照り方で、光のカーテンの加減が毎回違ったりして、実は音作りのインスピレーションにも役立ちます。
これからの目標は、チェロという楽器の可能性をみなさんにもっともっと知っていただきたいので、いろいろな方々とコラボレーションすることで、音楽の幅を広げていきたいです。
この番組は、3月7日午前9:53まで、NHKプラスでご覧いただけます。
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