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大谷康子さんのシリーズコンサート「ヴァイオリン賛歌」第9回〈未来〉
子どもたちの未来の幸せを願ったコンサートでした!

 

 10月26日(日)、スズキ出身の大谷康子さんのHakuju Hallでのリサイタル「大谷康子のヴァイオリン賛歌 第9回〈未来〉」に、スズキの子どもたち8名が出演。「キラキラ星変奏曲」の共演に、聴衆からは「本当に感激・感動した」などの感想とともに大きな拍手が寄せられました。
 
 この日のリハーサルは11時半から始まりました。渋谷区富ヶ谷のHakuju Hallに登場したのは印田礼二先生(関東地区ヴァイオリン科指導者)クラスの8名の子どもたち。一番大きなお子さんで小学2年生でした。大谷さんやスタッフの皆さん(特にスズキでチェロを学び、中学時代の同級生だったという伊藤裕太さんら)と、並び方、お辞儀のタイミング、出入りなどの確認とともに、実際に「キラキラ星変奏曲」を2回リハーサル。8人の子どもたちとアイコンタクトを頻繁に取られ、一緒に弾かれる大谷さんの姿に、このコンサートに寄せる思いが自ずと伝わってきました。

 開演は15時。なんでも大谷さんはステージリハーサル終了後、元港区長の 「旭日中綬章を祝う会」に駆けつけ、その場で祝賀演奏もされ、開演10分前に会場に戻られるという、まさに大谷さんの著書「ヴァイオリニスト、今日も走る!」そのままの状態だったそうです。

 そんなことを微塵も感じさせず、コンサートが始まりました。プログラムの1番目に用意されたのが、スズキの子どもたちとの「キラキラ星変奏曲」でした。子どもたちはリハーサルで確認されたようにステージに並び、堂々と演奏。大谷さんから「今日はサプライズで登場いただきました。皆さんのお名前を紹介しましょう」と、一人ひとりをフルネームで紹介。それぞれ大きな拍手をいただきました。
 
 「音楽はなんのためにあるのか、を50年間ずっと考えてきました。第9回を迎えたヴァイオリン賛歌では、〈未来〉と題し、未来を音楽でもっと明るくしたい思いから、スズキのお子さんたちに登場いただきました。この子どもたちが10年後には、大人になり、未来を作っていきます。そこで、今日は、子どものための曲や教育的な価値のある作品を中心に構成しました」と大谷さん。その第1曲目が「キラキラ星変奏曲」だったわけです。
 
 そして、7歳のモーツァルトが作曲した「ヴァイオリン・ソナタ第2番K.7」。大谷さんはテレビでもお馴染みの巧みなトークで、演奏曲を演奏前に紹介。「7歳にも関わらず、作品の深みある構成、和声の移り変わりなどが素晴らしいです。それらは下書きがなく、一気に書かれました」。大谷さんの紹介により、曲のイメージが実際の演奏とともに倍加するようです。
 
 続いて、チャイコフスキーの「子供のアルバム」から7曲を抜粋、さらに「四季」より「10月秋の歌」、よく知られる佳曲「感傷的なワルツ」が一気に演奏されました。大谷さんは「『四季の秋の歌』が、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の第2楽章に似ているように思います。調べてみたら、作曲されたのが2年違いなんだそうです」と興味深い紹介もありました。そうやって聴いてみると、確かに頷けるメロディでした。
 
 前半の最後がドヴォルザークの「ソナチネ」。作品番号をキリのいい100とし、「私の小さな子どもたちへ」と印刷譜に書かれた献辞にもあるように、ドヴォルザークの6人の子どもを持つ父親としての慈愛に溢れたような作品で、大谷さんのヴァイオリン、佐藤卓史さんのピアノがその美しさ、愛らしさを見事に表現されていました。
 
 そして休憩です。大谷さんはこの時間中にもさっそくロビーでお客様から「子どもたちの姿に本当に感激、そして感動しました」というお声をヒアリング。後半の冒頭で大谷さんご自身の速報に、会場もどっと湧いていました。そして、テクニック偏重ではなく、心を重視した演奏の大切さについても言及されました。
 
 後半の演奏は、指番号やポルタメントの指示のあるイザイ「子どもの夢」で甘美な夢想感を表現、アラール「椿姫ファンタジー」より「乾杯の歌」を明るい未来と子どもたちの平和・幸福を願う象徴として演奏されるなど、これからの明るい未来を願う曲が続きました。最後は、ライプツィヒ出身のチェリストで作曲家のクレンゲルが作曲した名曲「ヒムニス(讃歌)」を大谷さんに師事されている若いヴァイオリニストたち12名によるヴァイオリンアンサンブルが披露されました。この曲は、ベルリン・フィル12人のチェリストたちが1972年の結成当時から定番曲として演奏を続けてきた曲で、今では日本国内のアマチュアチェリストたちも、チェロアンサンブルの醍醐味を味わえる曲としてよく演奏する曲です。この名曲に触発された大谷さんはデビュー50周年記念のために萩森英明さんに12人のヴァイオリン用に編曲を委嘱。2025年1月10日のサントリーホールでのデビュー50周年記念特別演奏会で初披露されました。今回、あらためて再演されたことになります。この曲のサビの部分を大谷さんが中央で独奏される特別バージョンとなっていて、チェロアンサンブルとは違った、素敵な趣ある作品となっていました。そして、アンコールが、ドヴォルザークの「我が母の教え給いし歌」。父としての思いが込められた前半の「ソナチネ」に呼応するかのように、母への思いでコンサートを締め括られたことになり、その選曲の妙に感心した次第です。
 
 全体を通して、「子どもたちがどのような感性を持って育っていくか、それにより世界が変わると思っています」という大谷さんの強い思いのこもった今回のコンサート。「音楽の力で人々が必ず仲良く繋がれる」と信ずる大谷さんの願いは、聴衆にも見事に伝わっていました。共演したスズキの子どもたち、そして保護者の皆様から、マンスリースズキ編集部にメッセージが届きましたので、紹介しましょう。


 

大谷康子さんと共演して

 

 ①はくじゅホールでおおたにせんせいといっしょに、きらきらぼしをひけてとってもうれしかったです。おきゃくさんがたくさんいてドキドキしたけど、たのしくひけました。またいっしょにひきたいです。
 山内心陽(ここは)
 
 ハクジュホールで、大谷康子先生と娘が「キラキラ星変奏曲」を共演させていただき、心に残る一日となりました。先生の美しい音色とあたたかな笑顔に包まれて、緊張していた娘の表情も次第にやわらぎ、楽しそうに弾く姿に成長を感じました。演奏を終えたあと、「また弾きたい!」と嬉しそうに話す娘をみて、音楽の喜びを改めて実感するとともに、大きな舞台で演奏できたことは、娘にとって大きな自信になったと思います。このような貴重な機会をいただき、心より感謝申し上げます。
お母さま

 ② 発表会よりも緊張しましたが、憧れのすごい先生と一緒に「キラキラ星変奏曲」が弾けて、とても楽しかったです。みんなの音が響いて一つになってとてもきれいでした。大谷先生も僕たちと同じように「キラキラ星」を大事にされているんだなと思って嬉しかったです。最後の演奏もとても美しくて感動しました。今日は本当にありがとうございました。
渡邊  輝
 
「楽しかった!」演奏を終えた子どもが笑顔で答えてくれました。ヴァイオリンを弾いて「楽しい」と言ってくれたのは、はじめてのことです。音楽に一番大切なものは「心」。あふれる笑顔の大谷先生と子どもたちの演奏に胸がいっぱいになり、日々忙しく過ごしているあまりに見失っている大切なことを思い出させてくれました。いつも注意して怒ってばかりのお稽古ばかりではいけないなと反省し、もっと親子ともに音楽を楽しまなくては!と思った次第です。  コンサートでは「音楽の力で世の中を平和に」「音楽のちからで、こどもたちに明るい未来を」と願う大谷先生の想いがあふれる素敵な演奏ばかりで、最後の最後まで涙が出るほど感動いたしました。その想いは、鈴木鎮一先生の想いに通じるものでもあり、今日のコンサートには鈴木先生の魂を感じました。きっと天国の鈴木先生も喜んでいらっしゃることと思います。大谷先生の愛にあふれる情熱的な演奏を聴かせていただき、一緒に弾く機会もいただけたこと、これは子どもにとっても親にとっても一生の宝物になりました。この貴重な機会をいただいたことに心から感謝しております。本当にありがとうございました。
お母さま 

 ③昨日は大変貴重な機会をいただきましてありがとうございました。息子に出演した感想を尋ねましたら、とても楽しかった、(合奏会のとは違い、初めてみる)お客様が客席にずらっと何列もいらしたけれど緊張しなかった、お客様のお顔を見ながら演奏ができたと申しておりました。自宅での練習時の親の心配をよそに、本人は気持ちよく「キラキラ星」を演奏してきたようでございます。今後のお稽古もよろしくお願いいたします。
長谷川航希 お母さま

 ④ゆみのつかいかたやヴァイオリンをもつしせいをたくさんれんしゅうして、がんばりました。おおたにさんと7にんのおともだちといっしょにぶたいでひくことができてたのしかったです。これからもがんばりたいです。
渡辺遼馬
 
 「キラキラ星」の原点に戻り、「音」「弓」「姿勢」を改めて親子で勉強させていただきました。貴重な機会をいただき大変感謝しております。今後とも親子で基本の原点を忘れずに日々のお稽古、精進してまいります。
お母さま

 ⑤おとうさんおかあさんではない、たくさんのおきゃくさんのまえでひくのが、きんちょうしたけどたのしかったです。
坂口依都
 
 子どもらしく元気溌剌に、にこやかに、というのをいつも以上に意識して体で表現することを印田先生に繰り返し教えていただきました。大舞台で堂々と弾いた子供たちはさすがでした。貴重な機会をありがとうございました。
お父さま

 ⑥大谷先生はとってもやさしかったです。ママよりもやさしくて、ママよりもだいすきになりました。先生が用意してくださったサンドイッチがすごくおいしくて、とくにいちごクリームのあじがいちばんすきでした。ステージにのるときは、とってもきんちょうしました。でも、大谷先生がにっこりわらって、こっちに歩いてきて、わたしを見てくれたら、ドキドキがすぐになくなりました。大谷先生といっしょに出られて、ほんとうにうれしかったです。このようなきかいをくださった印田先生にも、とってもかんしゃしています。また、いっしょにひけたらいいなと思います。
滝沢 梓
 
 先週の日曜日、大谷康子先生の演奏会に参加しました。娘は8人の小さなゲストの一人として、有名なヴァイオリニストの大谷先生と一緒にオープニングで演奏しました。同じスズキ出身の大谷先生は、子どもたちと「キラキラ星」を共演しながら、ご自身がヴァイオリンを始めた原点をお客様に伝え、デビュー50年の歩みを振り返るという、とても温かい演出でした。ステージの上の先生はいつも笑顔で、とても優しく、気さくで、テレビで見る通りの素敵な方でした。
 演奏は優雅で芸術的な雰囲気にあふれ、でも同時にとても親しみやすく、子どもたち一人ひとりに笑顔でアイコンタクトをしてくださる姿がとても印象的でした。音楽会は大成功で、観客の心を温かく包み込むような素晴らしい時間でした。娘にとっても、忘れられない貴重な経験になったと思います。このような素敵な機会をくださった印田先生に、心から感謝申し上げます。
お母さま

 ⑦私は大谷先生のコンサートを聴いて、とても感動しました。私も大谷先生のように、綺麗に音楽を奏でられるようになりたいです。「キラキラ星変奏曲」を弾く前、緊張とドキドキ、でも1番は楽しみな気持ちでした。演奏が終わると、たくさんの拍手をもらい、前列では涙を流す人もいました。コンサートを聴いている時、大谷先生の指を良く見ると、ヴァイオリンをただ軽く持っているだけのように見えたので、私もやってみようと思いました。大谷先生の演奏は曲によって動きが変わりました。元気な曲はたくさん体を動かして、息をして、歯切れよく演奏して、静かな曲はなめらかに静かに演奏していました。曲それぞれに特徴があることがわかりました。大谷先生はとても気持ちよさそうに弾いていて、私もたくさん練習して自然に動けるようになるといいなと思いました。耳を澄ますと、いつも印田先生が言っているような三角の音が聴こえました。三角の音、なめらかな音、歯切れの良い音、丁寧な音など、様々な音で大谷先生はそれぞれの曲に合わせて弾けているのがすごいなと思いました。作曲者や曲の説明もあって聴きやすかったです。また大谷先生のコンサートに行きたいです。
根本稟子
 
 大谷康子先生のコンサートで印田先生の教室の皆さんと一緒に娘も「キラキラ星変奏曲」をご一緒させていただく機会をもらえたこと、本当に嬉しく思いました。リハーサルでの子どもたちは緊張のせいか、表情も硬かったように思いましたが、本番では入場から笑顔も見えたりで、緊張の中にも楽しく弾けたのもわかりました。舞台から戻ってきた時に満足そうで、楽しかったと聞け、本当に良かったなと思うと同時に音楽の楽しさにも触れられたのではと思いました。なかなか、今回のように有名なヴァイオリニストの方と一緒に演奏する機会はないですし、子どもにとっても大変自信にもなったと思います。またコンサートを聴かせていただき、大谷先生の温かく優しいお人柄、ヴァイオリンを弾くことを終始楽しみ、演奏曲目へ想いを馳せて弾く姿はきっと娘にとって、これからヴァイオリンへの向き合い方が変わるきっかけ、もしくはそこまではいかなかくとも、ヴァイオリンについて考えるきっかけにはなったのではないかと思っております。私自身も娘とのこれからのヴァイオリンの家でのお稽古に向き合う時に、声掛け、曲の背景や解釈など一緒にもっと楽しむことも意識していきたいと思いました。素敵な機会をいただき、本当にありがとうございました。
お母さま

 ⑧ドキドキしたけど、みんなの前で楽しく弾けてよかったです。
土井楓葉(かえで)
 
 印田礼二先生より、大谷康子さんのステージで演奏すると伺った時には親子ともにとても不安でした。当日客席からは非常に緊張した面持ちのように見えましたが、娘の「楽しく演奏できたよ♪」を聞き、ホッとした気持ちです。会場を出た後に、『素敵な演奏をありがとう』とお声がけくださる方もおられ、「ありがとうって言ってもらえて嬉しかったね」という娘の言葉に目頭が熱くなりました。【多くの方々が音楽を共有できる空間】の中で演奏する、という素晴らしい経験ができましたことを感謝申し上げます。
お母さま
 

最後に、大谷康子さんの最新情報です。

 
①BSテレ東の人気番組「おんがく交差点」が放送500回目前!
 毎週土曜の朝8時から、BSテレ東で放送の「おんがく交差点」は、大谷康子さんと春風亭小朝さんの司会で、毎回、様々なアーティストが登場。音楽の楽しい交換風景が繰り広げられています。11月15日(土)放送で500回を迎えます。
 →「おんがくの交差点」公式サイト
 
②11月27日(木)大阪交響楽団とチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲!
 「50年の軌跡」と題された大阪交響楽団の第284回定期演奏会に、デビュー50周年となる大谷康子さんが招かれ、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏されます。会場は、ザ・シンフォニーホールです。
 →大阪交響楽団第284回 定期演奏会
 
12月13日(土)東京交響楽団とマルサリスのヴァイオリン協奏曲!
 東京交響楽団名誉コンサートマスターの大谷康子さんが、サントリーホール大ホールを舞台に、ジャズ・トランペットの巨匠、ウィンストン・マルサリスが作曲したヴァイオリン協奏曲で、さらなる新境地を開きます。
 →東京交響楽団第737回 定期演奏会
 
④東急ジルベスターコンサート2025-2026のカウントダウンに出演!
 12月31日の大晦日の夜、23時30分からのBunkamuraオーチャードホールで開催されている「東急ジルベスターコンサート」に大谷康子さんも出演。指揮の沖澤のどかさん、ピアニストの亀井聖矢さん、チェリストの水野優也さんらも出演し、カウントダウンに参加されます。ちなみに今年のカウントダウンナンバーは、2025年が生誕150周年だったラヴェルの「ボレロ」です。もりあがりますね。どうぞお楽しみに!
 →「東急ジルベスターコンサート2025-2026」公式サイト
 
⑤新年1月31日(土)東京都交響楽団とメンデルスゾーン、萩森英明のヴァイオリン協奏曲!
 名曲メンデルスゾーンの協奏曲と、2025年1月の初演以降、再演を望む声が多く寄せられているヴァイオリン協奏曲「未来への讃歌」を民族楽器のエキスパートたちとともに、練馬文化センター大ホールで歌い上げます。
 →練馬文化センター公式サイト
 
⑥音楽の友社が「ヒムニス(讃歌)」オンデマンド版楽譜を販売中 
 大谷康子さんが演奏されたヴァイオリン合奏編曲版の「ヒムニス」が音楽の友社から販売されています。
 →音楽の友社サイト
 
⑦大谷康子さんの著書「ヴァイオリニスト、今日も走る!」は、Amazonで
 大谷康子さんが語る、音楽を通して出会った名演奏家、名指揮者、名オーケストラとの秘話や、指導者としての心がけ。そして、東日本大震災で救助に来てくれた約30カ国の代表を招いたチャリティコンサートや、病院の慰問や学校での演奏教室など、「音楽を届けることで世界をひとつにしたい」という夢をずっと追いかけている生き方を紹介。あきらめずに、「そのときしていることを楽しむ」ことから生きる喜びが生まれるという、人間&音楽賛歌が全ページに貫かれています。
 →アマゾンサイト
 
⑧大谷康子さん公式サイト
 →公式サイト