日本のスズキの皆様へ
今世界はコロナ感染で先行きの見えない不安のどん底にいます。さて今回、オーストラリア、シドニーの現状と、その中で私たちスズキの先生がどうしているのかということについて、簡単に報告させていただきます。
オーストラリアは外出自粛の要請が政府より出て、はや3週間となります。学校は閉鎖になりませんでしたが、自宅待機し、オンラインで授業する学校が増え、仕事関係も同じように制限が出ております。イースターの春休みが始まりました(4月10日より)ので、現在、学校は開校されていません。したがって、日本と異なり、政府に強制力がありますので、通常の教室でのレッスンを続行することはできません。ですから、レッスンを続行したい場合は、オンライン以外に方法がない、という状況になりました。
さてスズキのレッスンですが、上記の理由のゆえにオンラインになり、2週間以上たちます。
先生によりますが、Skype, Google Meet, Facetime, Zoomなど、オンラインのプラットフォームを使って個人レッスンをしています。私は双方向性の比較的強いZoomを使っております。
以前から毎週一度していました指導者研究会もオンラインになりました。以前からしていたのは、シドニーの仲間内の若い指導者やこれから指導者になるべくトレーニングを始めていた数名でした。
さてオンラインになって、Zoomで今まで通り続けてきたのですが、私たちがZoomを使って研究会をしていることを知った他の指導者も参加するようになり、現在8名になりました。以下のサイトでその様子をご覧になれます。この画像をクリックしてみてください。
そのことをソーシャルネットワークに書き込みしたところ、他の州から、そして他の国からも参加の申し込みがありました。今週以降は12名程度になりそうです。予想しない展開となりました。Zoomレッスンについても先生方と話し合い、何ができるのか話し合っています。今までと同じようにできない、ということに思いを止めるのではなく、今までできなかったことで新たにできることを考えています。
その昔、鈴木鎮一先生は『常識を超える』ことを、私たちに伝えてくださいました。
子どもたちの計り知れない能力、もちろんそれがスズキ・メソードの中心事ですが、鈴木先生は指導曲集のレコードを作り、お稽古テープを作り、伴奏テープも考え出されました。それまでの音楽の世界の常識を超えたところにあるスズキ・メソードを世界に広げてくださいました。
今、世界が危機的悲観的になっているとき、我々スズキが新たな広がりを世界に見せることができるのだと思います。ともに世界中のスズキが子どもたちを救うための新たな道を見つける必要が生まれました。「1961年に来日の際、スズキの子どもたちの演奏に感激したカザルスが言ったように『音楽が世界を救う』のではないでしょうか」
オーストラリア シドニー在住
スズキ・メソード チェロ科指導者
水島隆郎