グランドコンサートは、かつては「全国大会」という名前で呼ばれていました。1955年に第1回全国大会が東京体育館で開催され、文字どおり全国から子どもたちと保護者が集い、歴史的なシーンを数多く後世に残しました。
1955年3月27日、東京体育館にて第l回全国大会(現在のグランドコンサート)が開催され、皇太子殿下(現在の天皇陛下)をはじめ、 皇族方がご臨席され、多数の各国外交団列席の中、1,200名の子どもたちによる大合奏が行なわれました。この写真は、全国大会に先駆けて行なわれた第3回卒業式の模様です。子どもたち一人ひとりに卒業証書を渡す鈴木鎮一先生の笑顔に、子どもたちが「育つ」ことへの畏敬の念が感じられます。
初めて行なわれた全国大会は、こうした子どもたちの成長をできるだけ多くの人たちでわかち合いたい、との願いから誕生しました。と同時に、演奏そのものを記録することの重要性を認識した最初のイベントでもありました。
第2部冒頭に演奏されたバッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」第1楽章だけでも記録しようと、映画製作をこの時に試みています。この写真がその時の撮影の様子で、複数のカメラが演奏する子どもたちや真剣に見守る家族の姿を捉えていました。
資金難で苦労した映画製作でしたが、後年、この時の映画フィルムが太平洋を渡り、アメリカでのスズキインパクトに、大きな効果を発揮することになるとは、誰も考えつかなかったことでした。
この時の様子を、かつて「鈴木鎮一マンガ物語」で紹介したことがありました。ここで再録します。
どのような状況の中で、当時、全国大会が開かれるようになったのか、また、その大会当日の様子も具体的に知ることができます。出版元の全音楽譜出版社様のご好意で、その部分を公開させていただきます。「ダウンロードする」をクリックすると、ご覧になれます。
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出展:音に心を、音にいのちを
~世界の扉を開けた“鈴木鎮一”マンガ物語
全音楽譜出版社発行 A5判 304ページ 1,944円(税込)
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プログラムバックナンバー(第1回〜第10回)
当時の貴重な記録でもあるプログラムを、これから順次、あますところなく公開します。今回は、1955年の第1回〜1964年の第10回まで。表紙の下の号数をクリックすると、そのプログラム全体をご覧になれます。(少々データが重いので、通信環境によっては時間がかかります)