10月17日の鈴木先生の誕生日に合わせて、松本の鈴木鎮一記念館では、鈴木先生の話題の著作「愛に生きる」の直筆原稿が11月30日まで特別展示されています。大変貴重な資料として、来館された皆様に興味深くご覧いただいております。
 

ロングセラーの「愛に生きる」、その直筆原稿を特別展示!

 
 今年は、鈴木鎮一先生の著作「愛に生きる」(講談社現代新書 990円)が何かと話題になる年でした。
 そもそも、1966年8月16日に講談社現代新書から発行されたこの著作は、2025年4月30日、ついに100刷を重ね、歴史的なロングセラーとして改めて注目されました。5月13日には、「愛に生きる」をテーマに夏期研修会を開催してみたい、と強く願われた幼児教育研究会の土居孝信会長と下苙敏大事務局長と機関誌編集部が、講談社現代新書編集部の小林雅宏さんを講談社に訪問。ロングセラーとしての同著の素晴らしさについて想いを深めることができました。

機関誌222号特集記事より


 程なくして、当時の講談社現代新書編集部で担当編集者だった藤井和子さんを探し出すことができ、全国指導者研究会が終わった翌日の6月5日に、86歳になられていた藤井さんと都内で面会。出版に至る経緯をご本人の執筆で、6月発行の機関誌222号の特集記事として記録するまでに至りました。そこでは、藤井さんが大学時代に出会った、本会出身の大池庸子さんにヴァイオリンを習われたことが、実は出版の大きなきっかけとなったという、大変ドラマティックなお話もいただきました。
 そして、8月9日。幼児教育研究会のオンライン夏期研修会では、東 誠三会長の基調講演や講談社の小林さんにも参加いただき、加盟園の100名を超す保育の先生や0〜3歳児コースの指導者らとともに、「愛に生きる」の読み取り方を様々な視点から研究。その結果、幼児教育研究会は2027年までの3年間、この「愛に生きる」を継続して研究対象とすることになりました。
 →「愛に生きる」100刷達成!
 →幼児教育研究会 夏期研修会
 
 こうした話題が続いた中で、アーカイブ委員会が松本の本部事務局に所蔵していた「愛に生きる」の鈴木先生の直筆原稿のうち、5つが、冒頭にも書きましたように、鈴木先生の誕生日である10月17日から鈴木鎮一記念館で公開されています。

 公開された原稿は、次の5編です。
 「ピーコ、いい子ねぇ」
 「眼はいくつ?」
 「耕兒君と私達」
 「カザルスも泣いた」
 「アメリカでの動き」
下の画像をクリックすると拡大します。
       
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 今回、直筆原稿が公表されるに至る経緯をアーカイブ委員会の末廣悦子先生(東海地区ヴァイオリン科指導者)から教えていただきました。
 

 鈴木鎮一先生の直筆原稿は整理されぬまま、編集室で保管されておりました。それを旧文献委員会で整理してファイルに入れて資料室で保管しておりました。
 その後本会の組織が変更され、文献委員会とオーデイオビジュアル委員会が一つになってアーカイブ委員会と名称を変更して、現在活動をいたしております。
 その中で、アーカイブ委員会では鈴木先生の直筆をただ保管しているよりは「本物」を皆様にご覧いただく機会を作り、鈴木鎮一先生の人となり、またスズキ・メソードの理念を皆様にご理解いただく機会になればと思い、まず今回、鈴木鎮一先生のお誕生日(10月17日)に合わせて「愛に生きる」の直筆原稿を展示させていただくこととなりました。
 今後順次公開をしてゆきたいと考えておりますが、次回はご命日(1月26日)に合わせて、直筆楽譜の展示とその楽譜を使ってのコンサートができればと計画中です。
 なお、「愛に生きる」は100刷を重ねる超ベストセラーとなりましたが、これは先生が10代、20代の若者たちを読者層にした本を書いてほしいという講談社現代新書編集部の依頼により、執筆なさったものです。
 私はその頃高校生で、レッスンに伺うたびに新しい原稿を読ませていただき、鈴木先生は私に意見を求めてくださいました。懐かしい思い出です。

 
 展示された5編には、QRコードが添えられているものもあり、たとえば 「ピーコ、いい子ねぇ」では、実際に鳥の声を聞くことができます。
 
 記念館を訪れた方々の声です。
・活字の印象とは異なる柔らかさを直筆から感じ、鈴木先生のお人柄が伝わってきました。(一般の方)
読みやすい本ですね。ひらがなが多いからかな。難しい漢字熟語が多いと同じ意味でも印象がかわります。(最近、「愛に生きる」を読まれた一般の方)
・直筆だとさらに温かみが伝わってきます。鈴木先生が大好きな、東京のお友だちに展示のことを宣伝しておきます。(スズキ・メソード会員)

 この機会に松本の鈴木鎮一記念館を訪れてみませんか。直筆特別展示は、11月30日までです。
 →鈴木鎮一記念館


 

鈴木鎮一記念館で「みんなのコンサート」

 10月26日(日)に鈴木鎮一記念館で開催された「第10回みんなのコンサート」について、記念館の中澤由季子様から概要をお知らせいただきましたので、ご紹介しましょう。
 

 「鈴木鎮一記念館で鈴木先生と奥様が使用されたピアノで演奏してみませんか?」と広く一般に呼びかけ、2024年6月から始まったコンサートも10回を迎えました。今回のプログラムもジャンル、楽器も様々でバラエティーに富んだ内容です。  13:00から出演者のリハーサルと司会者のインタビューが同時進行で始まり、舞台となる展示室は楽屋のような賑わいでしたが、14:00からはガラッと空気が変わり、心のこもった演奏が始まりました。
 事前に出演者様から曲に対するコメントをいただいていますので、演奏前後の司会者との絶妙なやり取りで、より深く曲への想いやその方の背景も伝わってきて、和やかな雰囲気で進みます。
 毎回違ったメンバーとのコンサート、ほどよい緊張感と新たな音楽仲間との出会いが楽しみで、連続でご出演する方もいらっしゃいます。
 次回、12/7(日)が最後となります。ご興味のある方、参加してみたいなぁと思われた皆様、是非、ご参加くださいませ。お申込受付中です。
 鈴木鎮一記念館 tel.0263-34-6645 →メールアドレス
 

写真掲載OKの皆様の勇姿です。
(上段左)お父様が見守る中での演奏
(上段中)ご夫婦での息の合った演奏
(上段右)大人になってから始められたとは思えない堂々とした演奏
(中段左)卵かけご飯のように飽きない深い演奏を目指して
(中段中) 1年に1曲ずつ習得した曲を披露
(中段右)ペダルにも足が届くようになった小学4年生
(下段左)リパッティの演奏を聴いて感動、自分も同じように弾く
(下段中)姉弟での演奏、ハロウィン演出が素敵
(下段右)最後はヴァイオリン(スズキOG)とピアノ