待望久しい「スズキ・メソード世界に幼児革命を〜鈴木鎮一の愛と教育 
が新版で出版!

毎日新聞社 小島正美記者によるスズキ・メソード群像劇


新版 創風社 本体1852円スズキ・メソードの指導者たちの前で講演する小島正美さん(2013年10月5日、松本) 著者は、毎日新聞本社生活報道部で食糧問題や環境問題で大変多忙な日々を送っていらっしゃる小島正美編集委員です。小島さんは、かつて松本支局に勤務されておられた当時、1983年から84年にかけて、「鈴木メソッド・その栄光とゆくえ」と題した50回もの長期連載を毎日新聞長野版にされ、それを「スズキ・メソッド 世界に幼児革命を〜鈴木鎮一の愛と教育」(共同音楽出版社)として上梓された経緯がありました。その内容は、これぞ新聞記者ともいうべき綿密な取材を重ねた成果がぎっしり詰まっているもので、スズキ・メソードが海外で広く知られ、多くの留学生が松本に滞在していた頃の様子を見事に描写しています。

こちらが旧版 例えば、本文前書きには、こんなくだりがあります。
 「鈴木氏の唱える愛と教育とは、常に自己(親や教師)に反省を求め、絶えず子どもたちにいい環境を整えていく教育運動である。決して、バイオリンの早期教育ではない。にもかかわらず、才能教育のほんとうの歴史は、なかなか理解されていない」とスズキ・メソードをめぐる当時の状況を看破しています。

 青雲の志をもって才能教育運動に参画してきた若き指導者たち(今や大ベテランの皆さん)への取材など、スズキ・メソード関係者はもとより、スズキで育った人々やスズキの研究者たちにとって、あるいは幼児教育や児童心理の専門家たちは、この名著を読み進めることで、鈴木鎮一先生がいかに崇高な思いで才能教育運動を積み重ねてきたか、そしてその運動そのものが、いかに世界で革命的に受け止められたのかが自ずと明らかになる内容です。もちろん、スズキを知らない人にとっても、戦後の日本にこれだけの光明を与え続けた才能教育運動の全貌を垣間みることができます。

 この本は、1985年の出版以来、ながらく絶版となっておりましたが、2013年のスズキ・メソード幼児教育研究会発足会や、甲信地区指導者会が主催した鈴木鎮一先生生誕115年記念イベントでの講演などを通じて、若い世代のスズキ・メソードの指導者たちから「ぜひ復刻してほしい」との声が寄せられたことを契機に、2015年から少しずつ取材を開始し、このたびようやく出版にこぎつけたことになります。

 旧版に比べて、新版はソフトカバーになり、ハンディになりましたが、取上げた素材はさらにボリュームアップし、100ページ近くの増ページとなりました。

 目次を拾ってみましょう。
・はじめに
・第1章 アメリカ革命
・第2章 社会教育運動の開始〜鈴木の教育運動はどのように各地へ普及していったか
・第3章 鈴木とはどんな人物だったか〜同志たちとの出会いと軌跡
・第4章 鈴木式教育法とはどんなものだったか
・第5章 なぜ松本で才能教育運動が始まったか
・第6章 松本音楽院の創世期
・第7章 松本音楽院の発展と名物指導者たち
・第8章 鈴木私塾と1960年代の黄金期
・第9章 学校や幼稚園での実験
・第10章 スズキ・メソードのゆくえ〜どこへ向かうべきか
・あとがき

 ぜひ、書店で手に取ってみてください。アマゾンでも入手できます。→アマゾンで購入