「直伝!素顔の巨匠たち〜愛弟子が語る弦楽器の名演奏家38」が
この秋、話題です。
この秋に出版された「直伝!素顔の巨匠たち〜愛弟子が語る弦楽器の名演奏家38」(音楽之友社刊)が話題です。それもそのはず、現役の弦楽器奏者たちが師と仰ぐ38人の巨匠たちのエピソードを語るトップバッターで登場されるのが、才能教育研究会名誉会長の豊田耕兒先生。ジョルジュ・エネスコ先生の思い出を語っておられます。
この書物は、月刊「音楽の友」誌2018年1月号〜2021年3月号まで連載の『巨匠たちの技と心』をまとめたもので、20世紀を代表する巨匠たちに教えを受けた現代の演奏家たちに、自らの師匠を語ってもらう企画。著者は、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第1ヴァイオリン奏者時代に、四半世紀にわたり名演奏家たちと共演された征矢(そや)健之介さん。自らのインタビューを書き起こすことで、この斬新な切り口で連載を続け、今回、1冊のムックに仕立て上げました。豊田先生の記事は、それらの連載記事に、今回のムックのために新たに加えられた新規収録記事として、巻頭を飾りました。
豊田先生にお話を伺いました。
「よくこれだけの本を作られましたね。気の利いた本で、企画が面白いと思いました。今年の夏になる前頃、東京でインタビューを受けました。今回は、エネスコについてお話ししましたが、アルテュール・グリュミオー先生についても、いろいろとお話ができますよ。たとえば、1961年の来日の際、鈴木鎮一先生を訪ねて、松本にもいらしていますが、その頃、僕はグリュミオー先生のお宅で留守番をしていたこととかね(笑)、いつでも聞いてくださればお話ししましょう」
この本、豊田先生以外にも、スズキ・メソード出身の皆様が数多く登場され、大変読み応えがあります。
・松波恵子さん(チェロ科出身)→アンドレ・ナヴァラ
・浦川宜也さん(ヴァイオリン科出身)→ミシェル・シュヴァルべ
・渡辺玲子さん(ヴァイオリン科出身)→アイザック・スターン
・堤 剛さん(チェロ科出身)→ヤーノシュ・シュタルケル
・森 悠子さん(ヴァイオリン科出身)→ミシェル・オークレール
・佐藤陽子さん(ヴァイオリン科出身)→レオニード・コーガン
また、現在、チェロ科特別講師を務めてくださる倉田澄子先生も、ポール・トルトゥリエについて語っておられます。いずれの方々もその内容は、愛弟子ならではの観察、そしてリスペクトされている姿が浮き彫りになっています。
アマゾンなどで購入できます。音楽之友社発行 ONTOMO MOOK 1,760円(税込)