レクチャーコンサート「鈴木政吉と鈴木鎮一〜親子の絆」を大府市が主催
『日本のヴァイオリン王〜鈴木政吉の生涯と幻の名器』の著者で、愛知県立芸術大学の井上さつき教授が、2020年2月1日(土)、スズキ・メソード出身のヴァイオリニスト、水野紗希さんらと、愛知県大府市のおおぶ文化交流の杜こもれびホールで、レクチャーコンサート(主催:大府市文化振興課)を開催します。
前回の開催が、2018年1月20日でしたので、約2年ぶりの井上先生のご登場となります。レクチャーコンサート後には、スズキ・メソードでヴァイオリンやチェロを学ぶ子どもたちによる演奏も披露されることになっています。
以前のレクチャーコンサートの内容については、下記のアドレスでご覧いただけます。
→井上先生レクチャーコンサート
開催にあたり、井上先生からメッセージをいただきました。
鈴木鎮一は、日本のヴァイオリン王として知られる鈴木政吉(1859-1944)の三男でした。鎮一はご承知のように、もともとヴァイオリン奏者で、父親である政吉が作った楽器を演奏して、そのすばらしさを人々に伝えていました。鈴木政吉が作る高級手工ヴァイオリンには定評がありましたが、政吉が量産品のヴァイオリン製造から、高級手工ヴァイオリンの製造へ手を広げるきっかけになったのは、息子である鎮一の影響が大きかったのです。
2018年1月20日に開催された、前回のレクチャーコンサート。写真は、スズキ・メソード出身のヴァイオリニスト、桐山建志さんと「鈴木政吉と大府」をテーマにしたトークセッションの場面。左が井上さつき先生です 政吉は、1935(昭和10)年、現在の愛知県大府市横根町に隠居所を建てて、晩年はこの地で楽器作りに打ち込みました。隠居所のとなりに建てられたのが、鈴木バイオリンの大府分工場です。大府は、ドイツの有名な弦楽器の生産地マルクノイキルヘンのように、ヴァイオリンの里になることが期待されていたのです。残念ながら、それから戦争が始まり、その計画は実現しませんでしたが、近年、大府市では鈴木政吉の銅像が建立されたり、市内の小学6年生の道徳副教材に政吉の生き方が紹介されるなど、政吉は郷土ゆかりの偉人としてクローズアップされています。
大府市文化交流の杜こもれびホールで開かれる今回のレクチャーコンサートでは、ヴァイオリンを通して、相互に影響しあった父と息子にゆかりのある作品の数々をお届けします。ヴァイオリン独奏は、大府市出身で、スズキ・メソードで学ばれ、このほど大府市広報大使にもなられた水野紗希さん、ピアノは鈴木孝彦さんです。お近くの方はどうぞお越しください。
スズキ出身のヴァイオリニスト、水野紗希さんが大府市公式イメージ曲を作曲。
さらには、大府市広報大使に就任
岡村秀人大府市長と水野紗希さん 大府市出身で、スズキ・メソードで育ち、「高嶋ちさ子12人のヴァイオリニストたち」のメンバーとしても活躍された水野紗希さんが、大府出身の先輩ヴァイオリニストの竹澤恭子さんに続き、11月22日(金)、大府市広報大使に就任されました。大府市では、「今後さまざまな場面で大府市を全国、世界に発信していただきたい」と期待されています。
また、広報大使就任に合わせて、大府市の公式イメージ曲も作曲され、市役所地下多目的ホールでお披露目のコンサートが開催されました。これは、2020年9月に市制50周年を迎える大府市をイメージした曲で、自然豊かで、温かいまち大府を表現し、口ずさみたくなる明るいメロディが印象的な『HABATAKI』と、次の50 年に向けたノリノリの躍動感ある『FUN!OBU』の2 曲です。どちらもより多くの方に聴いていただき、実際に演奏していただけるよう、大府市公式サイトで音源と楽譜が公開されています。ぜひ皆さんも演奏にチャレンジしてみてください。
→大府市公式イメージ曲
水野紗希さんからの、大府市広報大使就任に際してのメッセージです。
「このような大事な仕事をいただき、とても光栄です。大府が大好きで、よく帰ってきています。広報大使の仕事をとおして、大府の人に音楽を聴いてもらえたらと思いますし、大府を知らない人にも大府を知ってもらえるように、がんばっていきたいです」
水野紗希さんプロフィール
大府市出身。北山小、愛知淑徳中、菊里高校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽部、同大学研究科を修了。スズキ・メソードでヴァイオリンを学び、大学在学中から 2015 年 1 月まで、「高嶋ちさ子 12 人のヴァイオリニスト」のメンバーとして活動。クラシック音楽に限らず、ポップスやロック、ジャズなどジャンルを越えたセッシ ョンにも意欲的に取り組み、現在は東京を拠点に演奏活動と育児を両立させて活躍されています。 2019年11月、大府市広報大使に就任。合わせて大府市公式イメージ曲を作曲。2020年2月の大府市主催のレクチャーコンサートにも出演されます。