ピアノ科卒業式と卒業演奏会

 2019年も、下記のように各地区でピアノ科卒業式と卒業演奏会を開催しました。スズキ・メソードのピアノ科は、前期初等科から研究科まで、9段階ある卒業課程で課題曲を録音し、全国レベルで検定評価します。卒業演奏会では、その中から選出された生徒が大舞台で演奏することになります。
 各地区から写真と記事が届き次第、こちらで紹介します。

ピアノ科卒業式と卒業演奏会
日程 開演  地区 会場
3月21日(木・祝) 13:30 甲信地区 才能教育会館ホール map
3月23日(土) 13:00 沖縄地区 沖縄県立芸術大学 奏楽堂ホール map
3月23日(土) 13:00 関東、北海道・東北地区 なかのZEROホール 大ホール map
3月29日(金) 13:00 関西、中国・四国、九州地区 豊中市立芸術文化センター 大ホール map
4月7日(日) 13:00 東海、北陸越地区 東海市芸術劇場 大ホール map

甲信地区

3月21日(木・祝)才能教育会館ホール

甲信地区

 3月21日(木・祝)、第48回甲信ピアノ科卒業式は、早野龍五会長が初めてご参列くださった、特別な式典となりました。あいにくの雨にも関わらず、才能教育会館ホールは大勢の方々の熱気に包まれました。黒河内健 業務執行理事もご参列くださり、3時間にわたり真剣に子どもたちの演奏を聴いてくださいました。

 臼井紳二先生指揮による、甲信地区指導者オーケストラと生徒たちのモーツァルトのピアノ協奏曲 第26番 ニ長調「戴冠式」K.537の演奏で幕が上がり、会場は一気に華やかな雰囲気に包まれました。卒業式式典では、早野会長が、参加した卒業生全員に一人ひとり卒業証書を手渡ししてくださり、卒業生も緊張した面持ちで受け取っていました。早野会長から「今日、ここに集まっておられる卒業生の皆さんは、来年には、一つ上の科の卒業生になって、また参加するのですよ、いいですね?」と激励の言葉をかけていただきました。

 早野会長からのお祝いの言葉を受け、卒業生を代表して、柴 萌子さんからお礼の言葉が返されました。

研究科卒業生徒のお礼の言葉をご紹介します。
 「私は、年長から高校3年生まで、15年間ピアノを続けてきました。一曲ずつ曲を完成させていくたびに、ピアノを弾く楽しみや、達成感を感じました。小学校、中学校と合唱コンクールの伴奏をさせていただく機会が増え、伴奏と歌が一体となる新たな喜びを感じることができました。
 しかし、ある時自分を見失うくらいの大きな挫折を経験しました。あんなに楽しかったピアノが思うように弾けなくなり、やめたいと思うくらいにとても辛かったのです。そんな時、大崎静子先生は私の状態に合わせ、何度も何度も私の心に寄り添い、優しくご指導くださいました。そのお陰でピアノの響きは私の心を癒し、回復の手助けとなりました。苦しい時も、辛い時も、唯一ピアノを諦めずに続けることができ、研究科まで卒業することができました。
 私はピアノを通して、困難にぶつかった時、1つのことを続けることで自信となり、乗り越えられることを学びました。そして忍耐力、諦めない強い心を身につけることができました。
 スズキ・メソードはピアノの楽しさだけでなく、私に生きていく上で大切なことを教えてくれました。15年間、大崎先生をはじめ甲信地区の先生方、そして家族、支えてくださった多くの方々、本当にありがとうございました。


ここからは卒業式に参加された方々からの感想をご紹介します。

出演者の感想
・一緒に演奏をしてくださったオーケストラの方々、そして指揮者の先生、本当にありがとうございました。私は、録音コンサートで間違えてしまい、録り直しになってしまったので、すごく恐怖心がありました。しかし、今回は練習をたくさんしたので、初めてコンサートで緊張することなく演奏することができました。そして、オーケストラや指揮者の方々と一体となって弾く楽しさを知ることができ、自分なりの演奏ができて良かったです。これからも、自分なりに音楽を楽しんでいこうと思います。(Y.Tさん 高3)

・幼い頃から今までずっと聴く側だった「戴冠式」を、自分が、しかもオーケストラと演奏させていただくことになっても、はじめのうちは事の大きさにピンときていませんでした。でもリハーサルなどを経て、本当に貴重な経験をさせていただいているのだという実感が湧いていきました。そして本番では、一人で弾くよりもさらに楽しい気持ちで演奏することができました。改めて、この経験は一生ものであると感じます。この素晴らしい機会に関わってくださったすべての方に感謝します。(S.Kさん 大2)

・少しミスがあったのが残念だったけれど、いい演奏ができたと思います。私は、前期高等科卒業でしたが、高等科以上の人の演奏が迫力があって上手でした。私もそんな演奏ができるように、がんばりたいです。(U・K さん小5)

・卒業式で演奏するのは、いつものコンサートより緊張したけど、2人で息をあわせて弾くことができてよかったです。卒業証書をいただくとき、大きな声で「はい」と言えなかったので、もう少し大きな声で返事をしたいと思いました。(S・Mさん小5)

・上京する前の最後のピアノの演奏会を、松本の才能教育会館で行なわせていただけたこと、とても光栄に思いました。(M・Hさん)

・初めは2人で弾くことが難しかったけど、練習して、合わせられて良かったです。オーケストラとの演奏に憧れます。(H・Kさん高2)

・今まで会ったことのない人と、初めて2台の演奏をしました。たった1回の練習と、本番当日の2回で、ぴったり合っていたので、嬉しかったのと、気持ちが良かったです。いい経験になりました。(Y・Mさん小5)

家族の感想
・部活や受験もあった中、ピアノもがんばってきて、あの場で堂々と演奏する姿は、とても立派に見え、成長を感じ、感動しました。ピアノをやっていてよかった‼(習い始めた時はピアノ?と思ってましたが…)先生にも感謝です。高校生になってもがんばってほしいです。(T・Y)

・初めての大舞台での演奏でとても緊張したようでした。次回は練習の成果が十分出し切れるようにがんばってほしいです。


・最初から最後まで結構長い時間だったので子どもたちは所々眠そうにしてましたが、うとうとしながらも手や足を曲に合わせて動かしているのを見て、「眠くてもちゃんと聴いているんだな」と嬉しくなりました。

・長野市からですので遠いですが、なかなか練習やレッスンのやる気が起こらなかったりする子どもたちのため、必ずいい刺激になると信じ、毎年聴きに行かせていただいています。

・卒業曲をたくさん聴ける良い機会でした。みんなの演奏を聴いて刺激を受け、また、会長から「来年はまたひとつ上の科で卒業式を迎えられるように…」とお話もあり、子どもたちは次の卒業曲に向けて、さらにやる気が出たようです。(M・Kさん)

・オーケストラとの演奏は、ピアノの主役感が出ていて、とても素敵でした。3人の演奏者はそれぞれの表現で演奏していてとても良かったです。

・我が子の演奏の時、早野会長が右手を大きく振ってリズムに乗っていらっしゃるのが見え、嬉しかったです。まだまだ練習不足ですが、聴き手が楽しめる演奏を心がけていって欲しいと思います。(S・Mさん)

・節目ごとに卒業の曲を演奏することは、子どもたちの目標になり、練習にも熱が入り、やり遂げた充実感も味わえると思いました。(Y・Gさん母)

・卒業曲は、何度弾いても「これで良い」「十分だ」ということがないと思います。娘も今回、2台ピアノの演奏を経験することによって、自分以外のお友だちの音を聴くこと、息を合わせることなど、いろいろな刺激や影響を受けることができました。ありがとうございました(H・Iさん)

・たくさんの先生の生徒さんの演奏が聴けてよかった。(A・Kさん父)

・初めての卒業式という節目で演奏させていただけたこと、とても思い出に残るコンサートになりました。オーケストラに囲まれたお兄さんお姉さんの演奏を見て、いつか、、、と思いつつも「日々の練習をまたがんばろうね」と親子で話をしました。(母)

・早野会長に初めてお会いできて嬉しかったです。また、生徒一人ひとりに手渡ししていただけて、ありがたみがさらに増した気がしました。(H・Mさん)

・高校3年生までお世話になりまして、ありがとうございました。オーケストラ、生徒の皆さん、とても素晴らしく、心にしみ入りました。これからの人生の中でも、きっと糧になると思いました。

・リハーサルを聴いたら、一番初めのコンサートを思い出しました。私はずっと子どもたちに厳しくしてきました。それは周りではなく、自分自身としっかり向き合って欲しかったからです。ピアノを通して、子どもたちには自分自身を感じて欲しいと思ってきました。今回、子どもから自分と向き合って練習して、コンサートを楽しめたと聞いて、本当に嬉しく思いました。先生に出会えて、こうして「戴冠式」を演奏できて本当に幸せです。ありがとうございました。(Tさん)

・本人にもまだまだだった所の自覚はあるようでしたが、親としてはこのように滅多にない機会を与えていただき、ただただ感謝しかありません。いろいろありましたが、立派に努めたと親バカではありますが、感無量でした。普段の生活は、なかなか改まらないとは思いますが、今回のことを誇りに思い、新たな自分を産み出すよう、これからの日々を大切に過ごして欲しいと思っております。(Kさん)

ご来場いただきましたお客様より
・オーケストラを聴ける機会が滅多にないので感動したのと同時に、いつか孫にもという思いで聴かせていただきました。普段のコンサートとは違った雰囲気もまた、よかったです。

・孫の演奏を聴きに来ました。皆さん上手で、2台の斉奏は良かったと思いました。

・毎日がんばって練習していた成果が出て、良い演奏ができたと思います。コンサートのたびに上手になって、今後も楽しみにしていますよ。(祖父母)

                        甲信地区ピアノ科委員長

沖縄地区

3月23日(土)沖縄県立芸術大学 奏楽堂ホール

沖縄地区

 春一番を感じさせる風と春雨の中、3月23日(土)沖縄ピアノ科第22回卒業式・卒業記念演奏会が、首里城公園近くの沖縄県立芸術大学奏楽堂ホールにて開催されました。


 今年のオープニング演奏はモーツァルトのピアノ協奏曲 第12番 イ長調 K.414を初めて全楽章で演奏することができました。才能教育課程卒業生の立派な演奏は、ピアノ科の生徒が目指す大きな目標になったことでしょう。後日、ご父母より「継続してがんばれば、協奏曲も夢ではないですね」とのご感想もいただきました。

 演奏終了後、木村眞一業務執行理事ご臨席の元、卒業式典が厳かに行なわれました。お祝いのお言葉の中で、沖縄地区として独立するまでの多くの支えをいただいた経緯を述べられ、ご来場の皆様、指導者ともにありがたく拝聴いたしました。

 スズキ・メソード卒業制度の素晴らしいカリキュラムを一人でも多くの生徒に体験していただけるよう指導者一同、心新たにした卒業演奏会でした。

会場からの感想
・卒業録音から検定の評価、卒業演奏に至るまでのスズキの丁寧なカリキュラムに感動しました。(前期初等科の母親)
・初めてスズキ・メソードの演奏会を聴きました。どの生徒もマナーよく、演奏も丁寧で、先生方や親御さんの愛情が生徒に届いているということが、感じられる素晴らしい演奏会でした(一般の方)

                        沖縄地区ピアノ科委員長
                             玉城 智江

関東、北海道・東北地区

3月23日(土)なかのZEROホール

関東、北海道・東北地区

 桜の開花宣言も発表になりました321日。この良き春の日に第49回関東、北海道・東北ピアノ科卒業式を、昨年に引き続き、なかのZEROホールにて開催いたしました。
ピアノ協奏曲 第12番 イ長調 K.414 オープニングには、ヴァイオリン科の青木博幸先生指揮による関東地区指導者オーケストラによる、チャイコフスキー作曲 弦楽セレナード ハ長調 Op.48 第2楽章 ワルツの祝賀演奏がありました。これは鈴木鎮一先生の大好きな曲だったそうです。

 続いて生徒さんたちの目標にもなっている憧れのコンチェルトです。今回はモーツァルト作曲のピアノ協奏曲 第12番 イ長調 K.414です。3回のリハーサルを受けた演奏生たちは、本番では立派に演奏を披露し、会場から大きな拍手をいただきました。

東 誠三先生から卒業証書をいただきました卒業生と祝辞を述べられる永田香代野 業務執行理事 式典では会長代行の永田香代野業務執行理事、東 誠三先生のご出席をいただきました。壇上には前期初等科~研究科Aまでの卒業生が上がり、各科代表生徒が東 誠三先生より卒業証書を授与されました。  

 また、研究科Bの卒業生は一人ずつ名前を呼ばれ、最終課程まで卒業したことに対して、会場の皆様からたくさんの祝福の拍手をいただきました。  

 第2部は各科の課題曲の演奏です。リハーサルでは東 誠三先生のご指導を受け、みるみる変化していく過程が見られ、本番では皆様立派に演奏しておりました。 
2台ピアノの斉奏独奏
 最後に研究科B卒業生は東 誠三先生、永田香代野業務執行理事とともに記念撮影をし、全課程修了の記念に残るものと思います。

関東、北海道・東北ピアノ科卒業式
実行委員長 加藤圭子

関西、中国・四国、九州地区

3月29日(金)豊中市立芸術文化センター 大ホール

関西、中国・四国、九州地区
 「第48回関西、中・四国、九州ピアノ科卒業式」は、3月29日(金)、大阪府豊中市立芸術文化センター大ホールにて行なわれました。午前中にリハーサルを終え、12:30開演。第1部は関西地区上級生を中心とした「スズキ・メソード関西地区オーケストラ」(指揮 江村孝哉)による、ヘンデル作曲「アラ・ホーンパイプ」の演奏で始まりました。華やかなファンファーレが響き、会場が盛り上がったところで、皆の憧れであるコンチェルトの演奏です。今年のコンチェルトは5年ぶりのピアノ協奏曲第26番ニ長調「戴冠式」K.537(モーツァルト作曲)です。3人の演奏者は3回のオーケストラとの練習を経て息もぴったりで、素晴らしい演奏でした。

 式典前には、今期キラキラ星の録音を済ませた生徒が並び、大きな拍手をいただきました。次は前期初等科の卒業生として参加できるといいですね。

 式典では、各科卒業生が順番に登壇し、会長の代理として末廣悦子業務執行理事が、卒業生に証書を授与されました。そして最後に研究科Bの卒業生が長年支えてくださったお母様にお礼のお花を贈り、感謝の気持ちを伝えました。

 末廣悦子業務執行理事は、鈴木鎮一先生のお言葉「お稽古しなくて良い日は、朝から晩まで何も食べない日」を引用され、毎日お稽古して上の科を目指しましょう!と励ましてくださいました。

 第2部は2台斉奏と独奏で、自由曲・課題曲が演奏されました。演奏前には堅い顔だった演奏者たちが、弾き終わると、大きな達成感を味わったであろう満面の笑顔で舞台袖に戻ってくるのが印象的でした。

 最後に卒業生、オーケストラメンバー、指導者、全員が舞台に上がって集合写真を撮り、卒業式は終了となりました。皆の元気なお返事と笑顔が一杯の爽やかな一日でした。

関西地区ピアノ科委員長


東海、北陸越地区

4月7日(日)東海市芸術劇場 大ホール

東海、北陸越地区
 第43回東海、北陸越地区ピアノ科卒業式&卒業演奏会が、東海市芸術劇場大ホールで開催されました。卒業演奏第1部(課題曲)は才能教育課程卒業曲、モーツァルトのピアノ協奏曲第26番ニ長調 「戴冠式」K.537、ピアノ協奏曲第12番イ長調K.414、ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488で演奏会が始まりました。オーケストラは、田中瑞穂指揮によるアルテ室内管弦楽団です。

 引き続き卒業式典は、前期初等科から研究科Bまで9課程の卒業生全員が登壇し、各科ごとに1人ずつ生徒名が読み上げられ、早野龍五会長から各科代表生徒に卒業証書が授与されました。

 最終課程の研究科Bの生徒には、卒業証書とご褒美の記念品が授与され、お祝いの言葉もいただきました。

 才能教育課程の卒業生は、卒業課程の一区切りとして、保護者の方にもステージに上がっていただき、生徒1人ひとりが感謝を込めて花束をブレゼントしました。

 最後に早野会長より「どの子も育つ」の唱和をしていただき、記憶に残る式典になりました。

お礼の言葉
 私は楽しそうにピアノを弾いている友だちを見て、私もピアノを習いたいと思い、5歳の時にスズキ・メソードに入会しました。
 最初の発表会では、 緊張してリハーサルの時も舞台に上がれず、泣いてしまったことを今でも覚えています。そんな私でしたが、グループレッスンやスズキデー記念コンサート、卒業演奏会などたくさんの機会を経験し、音楽の楽しさを知りました。また、自分もあんなかっこいい曲が弾きたい、 きれいな音色を響かせたいと目標を持てるようになりました。
 毎日決まった時間に始まるピアノの練習。お母さんは練習の時間になると何をしていても私のそばで聞いていてくれました。先生とのレッスンでは、ただ弾くのではなく、音の響きを大切にし、
「曲が弾けるようになってからが本当のレッスンだよ」と教わりました。そして何度もくり返し練習し、 少しずつ音が変わっていくのが感じられた時はとてもうれしく楽しい瞬間でもありました。
 そして今、 才能教育課程卒業というーつの目標を達成することができました。ここまで来られたのもいつも楽しく熱心にご指導くださった先生、ピアノに集中できる環境を作ってくれた両親のおかげだと感謝しています。
 これからもスズキ・メソードで学んだことをいろいろな場所で生かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。 先生これからもよろしくお願いします。

 卒業演奏第2部(課題曲、自由曲)は前期初等科~研究科Bまで全17曲。代表演奏生徒49名。今年も笑顔と満足で幕を閉じることができました。

東海、北陸越地区ピアノ科卒業式実行委員
星野順子