堤 剛先生 文化勲章受章、おめでとうございます!

 

Ⓒ鍋島徳恭

 日本を代表する世界的なチェリストとして活躍される堤 剛先生が、令和6年文化勲章を受章されることになりました。このニュースはクラシック音楽ファンにとってビッグニュース。これまでクラシック音楽畑での文化勲章受章者は、 作曲家の山田耕筰、一柳慧、指揮者の朝比奈隆、小澤征爾、評論家の吉田秀和が受章していますが、西洋楽器奏者としては初めての快挙となります。

 受章理由は、日本を代表するチェロ奏者として世界的に活躍するとともに、後進の育成にも尽力し、日本のチェロ界を今日の隆盛に導かれたこと。また、サントリーホール館長、日本チェロ協会会長など数々の音楽関係団体の要職を歴任され、日本の芸術文化の振興に寄与した功績が認められたものです。
 
 「音楽芸術は、人類共通の財産として、世界に平和を築く礎になると信じています。これからも音楽芸術の発展に貢献できるよう精進してまいります」と受章の喜びを語っておられます。11月3日に皇居で親授式が行なわれます。
 
 堤先生は、スズキ・メソードとも深い関わりがあり、チェロ科指導曲集の音源を録音してくださり、チェロを学ぶ生徒さんたちの「CDの先生」であると同時に、ご自身もスズキ・メソードで幼少期に2年間、ヴァイオリンを学ばれました。その後、チェロに移られ、齋藤秀雄門下で育ち、世界に羽ばたかれました。そのような堤先生が、来年4月6日(日)のチェロ科創設70周年記念 第26回スズキ・メソード チェロ全国大会では、無伴奏チェロ組曲第1番を演奏してくださるとともに、お話もしてくださることになっています。今から、とても楽しみですね。
 
 ところで、マンスリースズキ編集部は、スズキ・メソードの会員向け機関誌第187号(2014年春号)「先輩、こんにちは」のインタビューで、サントリーホール館長室に堤先生を訪ね、幼少期の思い出や人生を決定づけた、さまざまな先生方との出会いについて、詳しくお話を伺っておりました。今回の受章記念に、その時の機関誌の記事を紹介しましょう。