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5年ぶりに完全に対面での開催となった今年の夏期学校。
速報でお伝えする初日の様子です。

 
 昨年は対面とオンラインの「二刀流」でのハイブリッドスタイルでの開催となりましたが、今年の第73回夏期学校は、本当に久しぶりに皆さんが松本に集う、対面での開催となりました。実に5年ぶりのことです。ギラギラの太陽も、大歓迎してくれたかのようでした。
 
 今年は、7月27日(土)〜30日(火)までがピアノ科、1日ずらして7月28日(日)〜31日(水)までがヴァイオリン科、チェロ科、フルート科で、それぞれ4日間ずつの開催でした。会場は、まつもと市民芸術館と才能教育会館を中心に、スズキ・メソード研究所、松本市勤労者福祉センター、深志神社を使用。
 
 最終日に早野龍五理事長兼会長から発表がありましたが、今年の参加者はヴァイオリン科が402名、チェロ科が71名、フルート科が16名、ピアノ科が58名、これに保護者、指導者などを加え、総勢1,600名の参加がありました。
 
 7月30日の「特別講師によるコンサート」では、一般の聴衆も加わり、メイン会場のまつもと市民芸術館主ホールがほぼ満席状態。特別講師たちによる熱い演奏に酔いしれることができました。松本駅に大きく飾られた「ようこそ松本へ!」の横断幕からも、街をあげて歓迎されていることがダイレクトに伝わりました。
 
 初日のピアノ科では、開校式の前に特別講師の臼井文代先生によるレクチャー「子供の楽典」からプログラムがスタートしました。
 

ピアノ科開校式&ピアノ科コンサート 13:30〜14:30

右から臼井文代先生、東誠三先生、早野龍五理事長兼会長

 夏期学校実行委員長の臼井紳二先生から、最初に「第73回夏期学校開校」が宣言され、鈴木鎮一先生の言葉「 音に心を 音にいのちを」が、今年の夏期学校のテーマであることが紹介されました。早野龍五理事長兼会長、ピアノ科特別講師の東 誠三先生、臼井文代先生からもご挨拶をいただきました。
 
 開校式後に、「ピアノ科オープニングコンサート」があり、生徒の演奏に先立って東先生の「オープニング演奏」がありました。
 
東 誠三先生のオープニング演奏
次の3曲を続けて演奏されました。
・ベートーヴェン:ソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op.27,No.2「月光」
ドビュッシー亜麻色の髪の乙女
シャブリエスケルツォ・ワルツ
 そして、アンコールに応えて演奏されたのは、指導曲集から次の曲でした。
・作曲者不明:ミュゼット
シューマン:メロディ 
アンコール曲については、会場の生徒たちに曲名を尋ねておられました。
 
 続いて、ピアノ科で学ぶ生徒たちによる演奏が続きました。
 
 15時からは、グループレッスン、個人レッスンのプログラムがさっそくスタート。「楽典を楽しくまなぼう」のクラスでは、拍子や音符の種類、速さの記号や強弱の記号、演奏上の記号、コードなどを学びました。
 

東 誠三先生のレクチャー「練習メニューについて」 18:15〜19:15

 この日の最後のプログラムは、ピアノ科の高等科の生徒さんたちが対象で、18時15分から会館ホールで始まりました。当初予定されていたプログラムから、より日々の練習に役立つ実践的なテーマに変更されました。ずばり「練習メニューについて」です。東先生によれば、ピアノの練習を通して自分を発展させ、喜びを感じられるかどうかは、日々の練習メニュー次第というわけです。
 
 大切な習慣として、日々の練習の最初にスケールを弾くことを提案されました。試みに東先生は会場の生徒さんに「スケールから練習を始める人はどのくらいいますか?」と質問されました。あまり多くないようです。東先生は「実は遠大な計画なのですが」と前置きされて、すぐに曲を練習するのではなく、まずは指をならし、調性を理解するためにも、スケール練習の必要性を指摘されました。
 

METHODE ROSE

 その方法として、「メトードローズ」下巻の最後の24ある調の2オクターブを使って、3ヵ月から半年を目標に一通り弾くことを目標にしましょう、とお話がありました。それぞれの調の指の運び、調の響きを確かめながら、指番号を習得していくのです。弦楽器を弾く編集部としても、このお話はとても勉強になります。ピアノに限らず、弦楽器も管楽器も同様に必要な練習法でしょう。曲を弾く時に必ず役出つ練習法ですから、避けて通るわけにはいきません。東先生は、さらに音階教本の「ハノン」を使ったブラッシュアップについても言及されました。
 
 そして、譜読みと音取り。この工程をどう乗り切るかが大切なポイントになるわけですが、東先生は、この一つひとつの工程についてわかりやすく説明されました。
 まずは、工程の1です。
 ・楽譜を用意する
 ・音源を探す
 ・楽譜を見ながら、音源を聴いてみる
 そして工程の2
 ・最初から弾いてみる
 ・難易度が高いと思った部分は、左右に分けて読む
 ・その日に「譜読み・音取り」をする範囲を決めてから取り掛かる
 ・練習の1回ごとに楽譜から読み取る要素を1つか2つに限って読む
 ・拍子をきちんと感じながら弾き進める
 ・指番号をきちんと決めていく
 ・ゆっくり両手で弾き進める
 
 東先生によれば、こうしたことは自分自身を高めるための方法の一つに過ぎないとのことですが、確実にこうした工程を日々の練習の中に組み込むと、格段に力がつくように思います。知らず知らずのうちに「繰り返し」が行なわれ、響きに対する耳が育つことにもつながるように思いました。ぜひ、皆さんにも実践していただきたい方法です。