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ヴァイオリン科、チェロ科、フルート科もスタートしました

 
 2日目のピアノ科は、午前9時からグループレッスン、個人レッスンがそれぞれ続き、また「楽典を楽しくまなぼう」や「ミュージッククラス」も開催されました。
 
 その間に、ヴァイオリン科・チェロ科・フルート科・ヴィオラコースのみなさんも、12時半から、主ホールで開校式が始まるのに合わせて、まつもと市民芸術館に集まってきました。昨年以上の暑さが到来している日本列島、この日の暑さも並大抵ではありませんし、まとわりつくような高い湿度でした。それでも元気に松本駅から日傘を指し、楽器を持って歩いている親子の姿があちこちに。まつもと市民芸術館の立て看板の前で、記念撮影をしたり、ホワイエで参加者登録をしたり、思い思いの姿で開校式を待ちました。
 

開校式 12:30〜13:00

 開校式の冒頭に演奏されたのは、鈴木鎮一作曲”キラキラ星の主題による「子供の幸を」”。関西地区ヴァイオリン科指導者の松本尚三先生の指揮に合わせ、各科の指導者からなる夏期学校オーケストラが演奏するこの素敵なメロディは、これから始まる夏期学校が実り多いものであることを願う皆さんの気持ちを集約するのに、本当にぴったりの曲です。
 
 そして早野龍五理事長兼会長を皮切りに、ご列席の皆様のご挨拶が始まりました。ちなみにこの日の様子は、翌日、さっそく地元紙「市民タイムス」の1面を飾りました。
 
早野龍五 理事長兼会長
 みなさん、こんにちは! 松本市内を歩きながら会場まで来たのですが、楽器を持った生徒さんたちをたくさん見かけました。とても嬉しく思います。2020年に新型コロナで夏期学校の開催を中止し、昨年はオンラインを併用したハイブリッド開催でした。今回、本当に2019年以来、5年ぶりに対面だけでの夏期学校を開催することができました。せっかくですから、皆さんに手を挙げていただきましょう。「今年初めて来ましたという方、どのくらいいらっしゃいますか」。あ、かなりいらっしゃいますね。「昨年も参加された方は?」。はい、それでは「昨年はオンラインで参加された方は?」ちょっといらっしゃいますね。「2019年の夏期学校に参加された方はどのくらいいらっしゃいますか?」いらっしゃいますね。ありがとうございます。夏期学校は、普段教わることのない先生にレッスンを受けたり、いろいろな友だちと出会う貴重な機会になります。大人になってから思い出されるほどの良い思い出をぜひ作っていってください。
 もう一つ、聞きましょう。「この中で鈴木鎮一記念館に行かれたことのある方、どのくらいいらっしゃいますか」。ありがとうございます。月曜日が普段は休館日ですが、夏期学校期間中は夕方5時まで開いていますので、せっかくの機会ですので、レッスンの合間にお時間がありましたら、ぜひ訪ねてみてください。私もレッスンを受けた部屋などがあります。
 それと、昨年10月にかつて鈴木先生が子どもたちに教えていた松本音楽院があった場所に、「ここに音楽院がありました」という場所(はしご横丁)に記念プレートが展示されるようになりました。お時間がありましたら、ぜひこちらもお訪ねください。
 それでは、期間中、よくお稽古をして、よく遊んでください。ようこそ松本においでくださいました。
 
ご来賓 宮之本伸 松本市副市長(臥雲義尚市長代理)
 先ほど早野理事長のお話にもありましたように、「ここが松本音楽院の発祥地です」という記念プレートが昨年できました。鈴木先生が音楽教育を始められてから約80年になります。この間に、鈴木先生の教育法は世界約80ヵ国に広がりました。さまざまな影響の一つを紹介しましょう。今、松本市民で構成されるアマチュア合唱団と、プロのオーケストラが共演することはよくありますが、80年前には夢のまた夢でした。しかし、昭和24年6月にここ松本の市民合唱団と 現NHK交響楽団の日本交響楽団が、松本市内でベートーヴェンの交響曲第9番の演奏を実現しています。これはなぜかというと、鈴木先生がこの松本におられて、松本音楽院を設立されたから、日本で初めてアマチュアの合唱団とプロのオーケストラの共演の形で開催できたのです。
 鈴木先生が住まわれた邸宅が、現在は鈴木鎮一記念館としてあります。ぜひバスなどを活用されて、ここに行っていただき、スズキ・メソードの源、源流を訪ねてください。鈴木先生がどのような思いで教育を行なわれておられたのか、記念館はその雰囲気を感じられる数少ない場所の一つです。
 この73回にも及ぶ夏期学校に参加の皆さんが、松本の地でとてもいい機会を得られることを願っています。
 
ご来賓 清水是昭 松本商工会議所副会頭(赤羽眞太郎会頭代理)
 ようこそ松本へお越しいただきました。松本商工会議所を代表して、心より歓迎申し上げます。全国各地からこのようにたくさんの皆さんが松本の夏期学校に参加されること、大変嬉しく思っております。私たち松本市民にとっても、夏期学校が松本で開催されることはとても誇りに思っております。夏期学校では世界で活躍される素晴らしい皆様のコンサートもあると伺っております。「どの子も育つ 育て方ひとつ」という鈴木鎮一先生の基本理念の通り、夏期学校を貴重な機会としてくださることを願っています。独特の文化を持つ松本の街を満喫していただければと思います。この夏期学校が一生の思い出となりますことを願っています。
 
特別講師長・東 誠三先生
 皆さん、こんにちは。久しぶりにこうしてたくさんの皆さんが集まってくださったこと、とても嬉しく思います。ここ松本の街を満喫しながら、良い仲間とともに良い音を勉強し、楽しく過ごしてください。それではがんばりましょう。
 
フルート科特別講師・宮前丈明先生
 お稽古では振り返ることがとても大切ですね。この夏期学校では、ぜひ、夏期学校の最終日に初日の自分の様子を振り返ってみてください。保護者の皆様もサポートをどうぞよろしくお願いします。
 
ヴァイオリン科特別講師・江口有香先生  
 みなさん、こんにちは。ようこそ夏期学校にいらっしゃいました。私は、かつて鈴木鎮一先生に直接教えていただいた一人です。現在は、ニュージーランで羊と仲良く、ニュージーランド交響楽団でアシスタントコンサートマスターを務めています。今回の開催テーマが「音に心を 音にいのちを」ということで大変楽しみにまいりました。私が大切にしている鈴木先生のお言葉に「音に命あり 姿なく生きて」がありますが、目に見えない音を通して皆様と一緒に共有し、経験することで一緒に勉強したいと思います。皆さんの心に、夏期学校のいっぱいの思い出を持って帰れるよう願っています。健康に気をつけて、4日間一緒に楽しみましょう。
 
ピアノ科特別講師・臼井文代先生
 実はピアノ科は昨日から始まっていまして、皆さんの集中力に感心しているところです。高校生の生徒さんが「先生、40度になっていました」と報告がありました。松本は暑いですが、どうぞ健康に気をつけて、期間中ここで勉強して、お友だちをたくさん作って、良い夏期学校になりますよう、願っています。
 
 ここで、鈴木鎮一先生作曲の「前奏と名古屋の子守唄」の演奏映像を上映しました。1976年4月14日のライブ映像です。この曲は、 名古屋の木遣り歌に基づく独奏ヴァイオリンとピアノ伴奏のための作品で、鈴木先生の抒情あふれる歌心が心に染み入る名曲です。自然と背筋がピンと伸びるような気がするから不思議です。これから始まる夏期学校に、鈴木先生からの「しっかり頼みますよ」というメッセージのように思えました。
 
臼井紳二 夏期学校実行委員長より
 みなさん、こんにちは。第73回夏期学校にようこそおいでくださいました。今ご覧いただきました映像は、鈴木先生の喜寿のお祝いの時のものです。かれこれ50年近く前のものになります。今年の夏期学校のテーマは「音に心を 音にいのちを」です。期間中、グループレッスンや教室別レッスンがありますが、さまざまな講師の先生方から音のお稽古をしていただければと思います。今日から最終日までの4に間、松本は予想以上の猛暑が予定されています。どうぞ体調にはくれぐれも気をつけてください。

午後のコンサート 16:00〜17:00

 「午後のコンサート」をまつもと市民芸術館主ホールで開催しました。このコンサートはあらかじめ募集期間を設け、応募のあった生徒さんたちによる演奏会です。
 
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演奏曲は次の8曲でした。
・ピアノ連弾(9歳、10歳) モシュコフスキー:スペイン舞曲 第3番 Op.12-3
・ピアノ独奏(9歳) 平井康三郎:幻想曲「さくらさくら」
・ヴァイオリン独奏(9歳) モーツァルト:協奏曲第3番 ト長調 K.216 第1楽章
・ピアノ独奏(10歳) ショパン:即興曲 第1番 変イ長調 Op.29
・ヴァイオリン独奏(11歳) ヘンデル:ソナタ 第6番 ホ長調 Op.1-15 第1、2楽章
・ピアノ独奏(13歳) ショパン:ワルツ 第14番 ホ短調「遺作」
・チェロ独奏(21歳) クープラン:演奏会用小品集よりプレリュード・シチリアーノ・ラッパ・悪魔の歌
・フルート科グループ グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」〜精霊の踊り
 最後に演奏したフルート科グループは、フルート界の巨匠、マルセル・モイーズ没後40周年を記念して制作したお揃いのTシャツを着用し、演奏後、全員揃って背中を見せ、会場からは大きな歓声が。とても注目を浴びました。


おけいこ相談会 17:30〜19:00

 午後のコンサート終了後に、才能教育会館ホールでは「おけいこ相談会」と題されたプログラムがありました。これは、夏期学校で毎回のように開催された「保護者教室」にあたるもので、機関誌で2022年2年間特集した「おうちお稽古」についてのお悩み相談です。何度かオンラインでも実施してきたもので、早野理事長兼会長も直接会員の皆様とお話ができることを楽しみにされてきた企画です。この内容については、9月1日号でご紹介します。