第71回中信美術展「才能教育研究会賞」は、工芸部門 作品名「群青」
松本第一高校2年生 石倉聡乃さんが受賞しました。

クリックで、中信美術展のサイトにリンクします 信州の中信地区(木曽~松本~安曇野~大町)の新春を祝う71回目の<中信美術展覧会>が2019年13日~14日まで松本市美術館で開催されました。

 この展覧会は、第2次大戦直後の1948昭和23に創設された中信美術会が主催し、創設当初から毎年地元の美術界の重鎮や愛好者の作品を募り開催されています。中信美術会は、松本出身で東京美術学校(現東京藝術大学)、フランスで学び、松本平に多くの教え子を抱えていた宮坂勝(1895〜1953)、中央画壇で活躍し、第2次大戦中に松本市郊外の浅間温泉へ疎開した縁で、その後も当地に留まり、信州美術会の戦後復興に尽力した石井柏亭(1982〜1958)の両画伯を中心に、当時のそうそうたるメンバーで結成された伝統ある組織です。

 1948年といえば、当会創設者の鈴木鎮一先生(1898〜1998)が戦後松本で立ち上げた「全国幼児教育同志会」を、現在の組織名である「才能教育研究会」と改称し、活動を本格化させた年でもあります。中信美術会も才能教育研究会も分野の違いこそあれ、当時の松本の文化・芸術・教育を担う大物実力者と、そこに集う熱き人々のパワーで始まり、今日まで続いてきた、いわば同志・兄弟のような間柄なのです。

 この中信美術展覧会は、日本画・洋画・彫刻・工芸の4部門に分かれており、今年は340作品が展示されました。展示応募は会員だけでなく一般応募も可能ですが、近年出展応募数の減少と出展者の高齢化傾向が続いてきました。そこで、今後の美術界を担う若い世代の人材育成を図る目的で、一昨年より「ジュニア」枠(15歳以上20歳未満を特別に設け、若い世代の皆さんの出展を促してきました。実際に、昨年比で出展総数は微減する一方で、ジュニア枠の出展は倍増し、未成年者とは思えない素晴らしい作品が多く出展されました。

 本会は、歴史と志を同じくする地元の団体として、この中信美術会の新しいチャレンジに共鳴し、一昨年より中信美術展への支援を始めました。本年も中信美術会審査委員の方々の厳正な審査により、ジュニア枠出展作品の中から「才能教育研究会賞」の受賞作品が選ばれました。受賞者ご本人のメッセージとともに紹介させていただきます。
→松本第一高等学校のサイトでも紹介されています

第71回中信美術展での「才能教育研究会賞」を受賞させていただいて
   松本第一高等学校・2年生  石倉 聡乃(さの)

 今回、私が出品させていただいた作品は陶芸による工芸作品です。作品名は「群青」です。群青(ぐんじょう)色は「紫みを帯びた深い青色」です。和名は「青の集まり」で、つまり「群れた青たち」という意味です。
 「喜び、悲しみなど人が持つ感情、様々な想いと願いが収斂し、最後には、深く愛情のある群青色になる」という意味を形にしたくて、この工芸作品を仕上げました。「身近な人への日頃からの感謝の気持ちが伝わるといいな」と思っています。
 最後になりましたが、私の作品を評価してくださった関係者のみなさまに感謝申し上げます。