トップパッターとして、
河地正美先生クラス出身の水野優也さんにお話を伺いました。

水野優也さん・今回、林 峰男先生とスズキ・メソードチェロ科の企画として、3人のリサイタルシリーズが展開されることになりましたが、お話をいただき、どんな気持ちでいらっしゃいますか。

→私たち3人はスズキを卒業後、桐朋学園で倉田澄子先生のもとで一緒に切磋琢磨してきた仲間です。3人ともちょうど別々の場所で留学を始めたところですが、こうしてこのメンバーでリサイタルシリーズを創り上げることができるのは、とても喜ばしいことだと思いました。スズキを巣立った私たちのことを、忘れずにあたたかく見守っていてくださった林 峰男先生やチェロ科の先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。

・チェリストの金子鈴太郎さんがツィッターで「久々に実家に帰って、ちょうどいいタイミングで栃木県交響楽団と水野優也さんのコンサートが！ものすごいエルガーのコンチェルトでした。ペレーニかと思った。こんな若手がいるなんて、すごい、日本はこれから楽しみすぎます」と表現されていました。今、師事されているミクローシュ・ペレーニ先生からのレッスンは、どんなレッスンなのでしょうか。具体的なところを教えてください。

→先日、栃木での公演にチェリストの金子鈴太郎さんにいらしていただきました。金子さんも今、私が学んでいるハンガリーのリスト音楽院に留学されていたそうです！
　ペレーニ先生のレッスンは週2回あります。
　最近は、様々な人の演奏が簡単にYouTubeやウェブ上で聴くことができるようになって、すごく便利になった反面、本来の楽譜に書いてある意味から遠ざかって、「ここは普通こう弾く、ここのボウイングは普通返す」などと暗黙の了解で決められているようなことが多い気がします。私もたくさんの音源を聴いたり、他の演奏家の演奏をよく聴くようにしているので、そういう影響をどうしても受けてしまうことが多いのですが、ペレーニ先生は、「作曲家が書いたことを忠実に再現する」ということに基づいて、1から教えてくださいます。中には自分にはとても不可能なテクニックもありますが、それを実際に弾いて見せてくださるので非常に説得力があります。また、どんな曲をいつ持って行っても、「昨日演奏会で弾いたの？」と聞きたいくらい完璧に弾いてしまわれます。常に作曲家に対してリスペクトを忘れないという姿勢が、とても尊敬できる先生です。

・プログラムに、R.シュトラウスやブラームスのソナタをあげられましたが、どんなイメージをそれぞれに抱かれていますか？

→R.シュトラウスのチェロ・ソナタは、彼が19歳の時に作曲されました。冒頭から溢れ出る若々しさを表現するには今しかできない、私の年齢で演奏したいと思いました。ブラームスのチェロ・ソナタ第1番は、スズキ・メソードでの卒業課程で研究科の最後の曲ですね。こちらも冒頭からまさにチェロの深くて、膨よかな音色が聴きどころだと思います。この曲を弾いてスズキを卒業してから早8年が経ちますが、これまでの勉強の成果を存分に発揮できるようがんばります。

水野優也さんのツィッターもお楽しみに！