2024年6月夏のチェロ・キャンプ(アメリカ)

関東地区チェロ科 寺田義彦
 
 6月23日から29日まで、今年で49回目の開催となったチェロ・キャンプNational Cello Institute(Monthly Suzuki 2023年8月号「R.ムーニー先生を讃えるチェロ演奏会」にて紹介)に赴きました。会場のアメリカ・カリフォルニア州Pomona Collegeは乾燥地帯の夏、朝晩17度日中は37度と暑く、一昨年に比べると参加者は増えて、コロナ禍前の活気が戻ったと思いました。

→マンスリースズキ2023年8月の記事
 

Kids Lesson class

 期間中、毎日朝9時のWarm up classから始まり、今回私はスズキ指導曲集第1巻の生徒さんを指導しました。その後、午後を挟んだ4時間の枠に4 Lesson class(60分間)を担当しました。

 その中、大人だけのAdult Lesson classを受け持ちました。生徒さんは毎年のお馴染みさん3名と初めての参加1名でした。
 

Adult Lesson class

 4名の生徒さんはそれぞれ指導曲集第5巻ヴィヴァルディのチェロソナタ、第3巻ボッケリーニのメヌエット、同ユーモレスク、指導曲ではないベートーヴェンのソナチネなどを受講曲として用意されていました。

 初めて参加したHarry さん(私の隣)はパンデミック時にチェロを始められ、いまは楽器演奏の喜びを実感されているそうです。
 
 お馴染みさんの生徒さんたちは、途中止まりながらもメヌエット弾き終えた彼に“Great job!” “Well done, Harry! (よくやったね)” とすぐに声かけして褒めます。受けたHarry さん、満面の笑顔で両手の拳を上げます。
 

ロドニー・ファーラー先生と

 お互いのやる気を高めるクラスの雰囲気がとても良く、日本の夏期学校でも技術レベルを超えた大人のクラスを設けることは「大人のスズキ」の発展に繋がると思いました。

 NCI最終日夜はPomona Collegeの立派な音楽ホールにてお別れ演奏会です。2008年に来日され、東京と名古屋でスズキ生徒さんを指導したRodney Farrar先生とご一緒のステージでした。
 
 参加生徒さんはWarm up classのグループ演奏、Ensemble classの成果発表、そしてCello Orchestraを順に演奏します。この最後の演目はNCIの特徴であるすべてのレベルの生徒が参加できる楽曲による大合奏です。この夜は聴衆も多く、かつてのNCI復活を感じさせました。ちなみに来年は50周年記念の開催となります。

クリックすると、フィナーレのチェロ・オーケストラによるフォーレ作曲「パヴァーヌ」の演奏をご覧いただけます