東京チェロアンサンブル、初のリモートアンサンブル 

 2008年から年に一度、紀尾井ホールに集結して、素晴らしいチェロアンサンブル を披露してきた東京チェロアンサンブル 。メンバーは、人気実力ともに現在の日本チェロ界を牽引する若手チェリストばかり。スズキ・メソードでチェロを学んだ宮田大さん、宮坂拡志さん、そして荒井結さんも参加されています。その10名が、新型コロナウイルスでの自粛期間に作成したのが、リモートアンサンブルでした。そこで、メンバーの荒井結さんに、思いを寄せていただきました。
 


 

 東京チェロアンサンブルは2008年より活動を開始し、今年で12年目となりました。
 
 今年は、右のチラシにありますように、第12回目を5月8日に迎える予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年1月18日に延期となりました。
 
 2008年の活動開始当時はメンバー全員が20代、チェロ族ならではの仲の良さをずっとキープして、今は全員が30代、本当に家族のような関係になってきました。このままみんなでおじいちゃん、おばあちゃんになっても一緒に弾いてたいね!と、言っています。とんでもない元気なおじいちゃん、 おばあちゃんになっていくことでしょう(笑)。

 毎年のリハーサルでは10人とも個性豊か、というよりもなんだかいろんな動物たちの集まりのような感じです(笑)。
 
 仲良しだからこそ、時にはバカ笑いし、時には真剣に意見をぶつけ合います。お互い本当に大切な存在であるということ、それは毎年の本番、このメンバーでのステージで再確認する気がします。
 
 自分も一員として、普段の音楽活動から東京チェロアンサンブルの時期になると、なんだか気持ちのスイッチが入ります。彼らがいるから、もっとやれる! もっとがんばろう! まだやってみよう! と自分を奮い立たせることができます。不思議な力です。
 
 これまでの本番でもものすごく緊張していた時に、それをメンバー全員が感じ取ってくれて、みんないる! 一緒にいる! と音とオーラで支えられている不思議な瞬間がたくさんありました。
 
 今回、新型コロナウイルスで公演が延期になってしまったことは大変残念でしたが、こんな時にこそ何か動画を! ということで、みんなでリモート会議を重ねていろんな意見を出し合いました(お酒を片手に。見事に10人全員お酒好き)。
 
 選曲はみんなで相談して決めたのですが、なんせ全員でリモートアンサンブルは初めてだったので「過去にやった曲の中からがいいね!」ということになりました。曲目は、1967年公開の映画「ロシュフォールの恋人」より「キャラバンの到着」です。この作品はチェロアンサンブルでなかなか演奏されることが少ない曲ですが、こんな時だからこそ楽しく聴いてもらいたい!という思いもあり、メンバーで話し合って決めました。東京チェロアンサンブルのために毎年チェリストの小林幸太郎さんが編曲をしてくださっています(これまた本当に素晴らしい編曲をしてくださいます)。チェロアンサンブルでなかなか演奏されることが少ない曲ですが、こんな時だからこそ楽しく聴いてもらいたい!という思いもあり、メンバーで話し合って決めました。
 
 リモートは部屋で1人で撮影するため、とーっても寂しいのですが、なんとなくみんなと弾いてる感覚を思い出しながらがんばりました。角度やカメラ位置なども打ち合わせをして、もちろん何度も取り直し(笑)。
 
 また今回の動画は伸和コントロールズ株式会社さんにもご協力いただき、東京チェロアンサンブルのリモート音楽が実現しました。魔法のような動画が出来上がりました!
 
 メンバー同士でも確認し合い、みんなそれぞれの個性がばっちりリモートでも出ていたので、結果思っていたよりもかなり楽しいものができました。YouTubeの画面で世界中の方々に見ていただき、「絶対コンサート会場で聴いてみたい!」と思ってくださる人が1人でも増えてくれたら嬉しいです!

 東京チェロアンサンブル 荒井結

 


 
その素晴らしい演奏は、下の写真をクリックするとご覧いただけます。 
 


さらに快進撃を続ける東京チェロアンサンブルは、このYouTube動画を、中国の方々にも聴いていただこうと、中国版YouTube『weibo』にも動画をアップしました。
→【東京チェロアンサンブルweibo】