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開会式、基調講演

 
 10月13日(金)13時より、いよいよ開会式から始まりました。国際ティーチャー・トレーナー会議実行委員長の中島顕先生、そして今回はオブザーバーとして参加の早野龍五会長からの挨拶がまずありました。
 
 続いて、特別講師長である東 誠三先生からの基調講演がありました。スズキとの出会いに始まり、現在に至るあゆみが紹介され、スズキの教育がもたらす短期的・長期的効果に言及されました。また、日々のレッスンの一瞬一瞬がかけがえのない時間であることを忘れずに、他者に敬意を払うことの大切さを思い描きながら、この3日間を過ごしましょうとお話しされました。
→東 誠三先生の基調講演(全文)
 
 まつもと市民芸術館小ホールに集まった皆さんは、同時通訳をヘッドホンでヒアリングしながらの視聴です。チャンネル別に日本語と英語、必要な方を選ぶ形です。ステージ横に同時通訳者が待機し、スムーズにご挨拶、そして講演が進行しました。


 

各リージョン別報告

 
司会の永田香代野 副実行委員長から、TERIについての現状報告がありました。
 
1時間の枠の中で5つのリージョン(地域)からの報告がありました。
発表メンバーは次のとおりです。
・SAA  Christie Felsing先生、Angelica Cortez先生
・ESE  Anke van der Biji先生
・PPSA  Sally Anne Alloway 先生、Trudi Miies 先生
・ARSA  Lan Ku Chen先生
・TERI   永田香代野(発表兼司会)
 
 たった1時間の中でのご報告でしたので、各地域からの発表時間は各々10分強という短さでした。その短い中でどのようにTERIの活動をお示しできるかを悩みました。資料をまとめて感じたことは前回のMadridでの会議以降にTERIで実行してきたことの多かったことです。概要を保護者の皆様のご興味がありそうなところだけをここに挙げさせていただきます。
 
 とにかく忙しいネット世代の保護者や生徒はデジタルネイティブだということに目を向け、忙しい保護者に代わって家庭での練習ができるように「おけいこ動画」を作成しました。ヴァイオリン、チェロ、フルート、ピアノの4科合わせて54本もの動画がアップされ、システムで繋がる会員専用に提供されています。
 
 また、夏期学校ではオンラインでのレッスンやコンサートも提供されていることから、事情により参加できない生徒・保護者にも好評でした。全会員がマイページを持てたことで会員限定のWEBマガジンやアンケートの実施、保護者と指導者とのオンライン交流会、オンラインでの発表会も実施できました。
 
 指導者へのサポートも充実し、広報活動も活発になりました。また、世間にスズキ・メソードとはどのような教育法であり、どのような団体であるかと正しく伝えるために「スズキの言語化」を行ないました。
 
 東京大学との共同研究では我々の「母語教育法」を脳科学の力で科学的に解明するための研究が進み、2021年12月には国際的な学術誌に研究結果が掲載され、今でもその研究は継続され、さらなる研究結果が期待されています。
 
 以上、保護者会員の皆様に少しでもご関心をお持ちいただければ幸いです。


 各リージョンの具体的な内容は、今後制作される報告書などで紹介されます。
 続いて、国際認証制度についてのセッションです。

スズキ国際認証制度についての報告

 
スズキ国際認証制度担当 寺田義彦先生からの報告です。
 
 このセッションはスズキ・メソード指導者の世界共通認証制度を検討するために設けられました。パンデミックでは一時停滞しましたが、その収束後、国際間の人々の往来は再び増える傾向です。近年、海外でスズキ・メソード指導者資格を得た方が日本に戻って教室を開く事例があり、才能教育研究会でその対応を検討しました。
 
 この経験を生かして「世界共通のスズキ指導者資格制定」を世界の公認スズキ協会やそれらを統括するリージョン(大陸協会)に提唱を準備しました。
 

 国際TT会議開催前の10月4日、本セッション担当者が事前のリモートミーティングを行ないました。

 出席者は、Fernando Piñero先生(SAA, Argentina)、 Winifred Crock先生(SAA, USA)、Carey Beth Hockett先生(SAA, USA)、TERIより末廣悦子先生、佐藤満先生、寺田義彦の6名でした。 
 この事前打ち合わせを寺田に打診されたFernando Piñero先生のお住まいのあるアルゼンチンは日本とのタイムゾーンが真反対であり、実現したミーティングはアルゼンチンの午後9時、つまり日本の午前9時開始でした。
 
 国際TT会議の初日、13日(金)の15時15分よりスズキ国際認証制度についての全体セッションが開かれました。
 
 右の写真は、向かって左から寺田(Moderator)、Winifred Crock先生(SAA, USA)、Christophe Bossuat先生(ESA, France)、Lan Ku Chen先生(ARSA,Taiwan)、Sally-Anne Alloway先生(PPSA, New Zealand)、佐藤満先生(TERI)、Fernando Piñero先生(Moderator SAA, Argentina)です。

 16時30分からは、5つのグループに別れ、スズキ国際認証制度について熱い議論が行なわれました。そして17時45分から再び全体セッションとして、各グループのModeratorがそれぞれの場での内容を報告しました。
 
 私が立ち会いましたグループAの討議で絞った題目は、Fernando Piñero先生が提案され、さらに細かく分かれて話し合いました。次はその主な内容です。
 
①スズキ国際認証資格を持つ指導者を登録するにはどの機関が必要ですか?
Which organizations are required to register Suzuki International Credentials qualified teachers?
 
②スズキ国際認証制度にはどのような基準を設定する必要がありますか?
What criteria should be set for Suzuki International Credentials accreditation?
 
③各地域の不足している特性を考慮して、スズキ国際認証制度はどのような共通点を設定するべきですか?
What commonalities should be established for Suzuki International Credentials accreditation, considering the missing characteristics of each region?
 
④スズキの指導者がスズキ国際認証制度を保持するための基本的な要件は何ですか?
What are the basic requirements for Suzuki teachers to maintain the Suzuki International Credentials?
 
 左の写真は、担当したグループの討議結果を報告するFernando Piñero先生です。他のグループでは「スズキ国際認証が必要か?」との意見もあり、活発な論議となったことを聞きました。今回参加された各国ティーチャー・トレーナーの皆様の本音も伺えて何よりでした。